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【ネタバレ】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』初期脚本、エンディングに別案あった

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
© 2018 MARVEL

マーベル・シネマティック・ユニバースの集大成、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、2019年公開『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』へと直結する物語だ。アンソニー&ジョー・ルッソ監督や、脚本家のクリストファー・マルクス&スティーブン・マクフィーリーは両作の脚本を同時に執筆していたという。

The New York Times誌のインタビューにて、クリストファー&スティーブンは脚本作業の初期段階で検討されていた案を明かしている。

注意

この記事には、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

アベンジャーズ インフィニティ・ウォー
© 2018 MARVEL

https://www.youtube.com/watch?v=ET87HGsLEOk

「サノスの指パッチン」第4作まで引っ張る計画があった

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のラストにおいて、サノスは6つのインフィニティ・ストーンをガントレットに収め、ついに指を鳴らして目的を達成する。全世界の宇宙の生命は半分に減らされ、愛すべきヒーローたちも次々に姿を消していくのだ。しかし脚本の草稿では、この“指パッチン”を『インフィニティ・ウォー』の結末ではなく第4作で見せる計画があったという。

これまで製作チームは、『インフィニティ・ウォー』と第4作について「互いに独立した作品」「純粋な前後編ではない」「異なるジャンルの映画」だと強調してきた。今回もクリストファーは「ストーリーが長すぎるから(映画を)半分に分けた方がいい、という単純な判断ではありません」と話している。
そもそも最大のサプライズを第4作まで引っ張ろうとしていたあたり、本作が「ヒーローを消滅させて続編へ引っ張ろう」という目論みで作られていないことは明らかだろう。むしろ判断の根拠はそうした発想とは真逆だったのだ。

「(第4作まで引っ張ると)『インフィニティ・ウォー』の結末が、意図した以上にクリフハンガー(編注:物語を宙ぶらりんにして終わらせる作劇方法)らしくなってしまうと思いました。前に観たものの続きを(第4作で)やることになってしまうって。マーベル・シネマティック・ユニバース10年間の到達点として、望むかぎり大きく、広がった作品になるべきなんです。」

つまりヒーローの消滅を『インフィニティ・ウォー』で見せることによって、第4作は“前作の続き”ではなく、さらに間口の広い作品として構想されているのだ。その代わり、クリストファー&スティーブンは『インフィニティ・ウォー』を「とことん悲劇的な結末にしたかった」と話している。

またスティーブンによると、サノスの指パッチンを『インフィニティ・ウォー』で見せたことで、もうひとつの効果が生まれたという。「ここからどうなっていくのか、本当に予想できませんよね?」

 

かつてジョー・ルッソ監督は、この結末について「映画を終わらせるためのクリフハンガーではなく、指パッチンの先へと進ませる、エモーショナルなクリフハンガーなんです」話していた。この展開自体は製作の初期段階から決まっていたというが、そのありかたについては脚本の段階で綿密に検討が重ねられていたのだ。ところで『インフィニティ・ウォー』のラストに指パッチンがなかった場合、いったい物語はどこで終わっていたのだろうか?

なお今回の発言を裏返せば、『アベンジャーズ』第4作のストーリーは『インフィニティ・ウォー』から地続きに展開しうる内容だということになる。 ヒーローの消滅が第4作に用意されていた場合、残されたキャラクターは比較的早くに反撃へ転じていたはずだからだ。たとえば『インフィニティ・ウォー』で踏み込まれなかった、まさに“その直後の展開”がカギなのだとしたら……第4作もまた、全編ジェットコースターともいうべき作品になっているにちがいない。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国の映画館にて公開中。『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』は2019年4月26日(金)公開予定。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://cpn.disney.co.jp/avengers-iw/

Source: NYT
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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。