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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』はアドリブも多数、笑いのユーモア満載に ─ 監督「『シビル・ウォー』とは異なるトーン」

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
© Marvel Studios 2018

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の予感はシリアスだ。なにせ、指ひとつ鳴らすだけで全宇宙の生命体の半分を消し去ることができるという最凶最悪のヴィラン、サノスが襲来するわけである。既に「アベンジャーズ、全滅」とも謳われており、ただごとではない。

予告編映像も悲壮感を帯びている。ところが、というべきか、「さすがマーベル」というべきなのか、今作『インフィニティ・ウォー』はユーモアや笑いもたっぷり、さらに役者たちのアドリブもたっぷり起用したトーンになるという。その雰囲気は、シリアスさが前面に出た『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)や『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)とは大きく異なるということだ。

『インフィニティ・ウォー』監督を手がけたうちの一人ジョー・ルッソは、BBCのラジオ番組「The Afternoon Show」に出演、自身が手がけた前作『ウィンター・ソルジャー』と『シビル・ウォー』から、『インフィニティ・ウォー』のトーン作りに至るまでの思いを語っている。

ルッソ監督は前二作について、「あの映画のトーンはあまり評価されてないと思うんですよね。実際のところ、映画作りで最も議論を呼ぶのはトーン作りなのです」と語る。

「『シビル・ウォー』は特にそうで、スーパーヒーローのエゴが激突するなんて、絶対にユーモアがあると思っていました。このユニバースでは沢山のキャラクターがユーモアを振りまいているのだから、この映画は絶対に面白くなるぞと。」

ファンにとってはご存知のとおり、ルッソ監督の前二作はいずれも『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)より続く「キャプテン・アメリカ三部作」に位置づけられる作品なのだ。「キャップの映画シリーズはちょっとシリアスですからね。キャップはちょっとお堅いし激しい。だから『ウィンター・ソルジャー』や『シビル・ウォー』でも、彼をそう振る舞わせました。」

しかし『インフィニティ・ウォー』は、ルッソ監督が以前手がけた「キャプテン・アメリカのシリーズ」というメタ的な制約を外れ、全てのヒーローが共演するダイナミックな作品となる。ゆえにルッソ監督は、ルッソ監督は、「この点で言えば、(『インフィニティ・ウォー』は)『ウィンター・ソルジャー』や『シビル・ウォー』とは大きく違ってきます」と説明する。

「『インフィニティ・ウォー』では、お馴染みのユニークな個性がたくさんぶつかり合う。だからユーモアを持って描きたいと思いました。脚本の段階からバランスを考えて、撮影現場では俳優にたくさんアドリブをやってもらいました。

確かに、『インフィニティ・ウォー』予告編では、早くもヒーローたちの個性がユーモアと共に混じり合う場面を確認することがきる。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』からやってきたピーター・クイルが、お馴染みの調子でトニー・スタークに絡み、その様子をワクテカ顔でピーター・パーカーが見つめる、とったシーンだ。もはや想像するだけで楽しいのは、こうした場所に『マイティ・ソー/バトルロイヤル』(2017)でさんざん笑わせてくれたソーとハルクら他のヒーローも加わるのだということ。『バトルロイヤル』でタイカ・ワイティティ監督は役者たちのアドリブ演技をふんだんに取り入れ、まるで漫談のようなグルーブ感ある笑いを生み出していた。『インフィニティ・ウォー』ルッソ監督も、恐れることなく役者たちのアドリブに任せ、笑いやユーモアを創り上げたという。

「面白い人たちが現場に集ったわけですからね。最初の1~2テイクは脚本に忠実にやってもらって、それから脚本から離れてもらい、その状態で5~6テイク撮りました。撮った映像を編集室に持ち込んで、何時間もかけて作業する。トーンとのバランスが取れて、ユーモアも交わり合りあい、かつ筋も通るよう、じっくり組み合わせていくんです。」

サノスは、インフィニティ・ストーンを揃えて銀河にバランスをもたらすことに「笑ってしまう」と言うが、我々ファンは、ヒーローたちが揃った共演を想像しただけで笑ってしまう。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日公開。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://cpn.disney.co.jp/avengers-iw/

Source:BBC

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。