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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』周到な流出対策 ― 実在しないシーンが脚本に執筆されていた

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を主導する米マーベル・スタジオは、『スター・ウォーズ』のルーカスフィルムに並んで、作品に対する秘密主義を貫くことで知られている。2008年『アイアンマン』に始まったMCUの集大成、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の製作にあたっては、もちろん超厳戒態勢が図られたようだ……。

ヴィジョン役を演じているポール・ベタニーが、本作の脚本に周到な仕掛けが用意されていたことを明かしている。

流出対策は「フェイク・シーン」

米Total Film誌のインタビューに登場したポールは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』やマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギ氏について熱く語る中で、脚本を初めて読んだ際のエピソードを明かしている。

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「脚本を読んだ時、そこにフェイク(偽物)のシーンが書かれていたんです。監督(アンソニー&ジョー・ルッソ)に電話したら、二人はどれがフェイク・シーンなのか、順を追って丁寧に教えてくれましたよ。(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では)当時すでに3回情報が漏れていたので、脚本にフェイク・シーンがたくさん盛り込まれていたわけです。本物の脚本が入っていたのは、3台の“ヒーローiPad”だけだったんですよ。」

秘密主義のマーベル・スタジオで情報流出が3度も起きていたことは驚きだが、それにしても脚本に実在しないシーンを用意して、本物の脚本を厳重に管理していたとは……。これまで出演者たちは、折にふれて「何も知らない」「自分の場面しか読ませてもらっていない」と述べていたが、その真相はこういうことだったのだろう。きっと、出演者全員にフェイク・シーンの入った脚本が渡されていたはずだ。

そういえば『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の撮影では、スパイダーマン役のトム・ホランドに対して、アクションシーンで戦う相手すら知らされていなかったというエピソードが存在した。撮影中、ルッソ監督の指示を受けながら、トムはとにかくアクションをこなすことに専念したようだ。

しかしながら、脚本に記されたフェイク・シーンの数々が、同じく流出対策のため実際に撮影されることはなかった。アンソニー・ルッソ監督は、以前のインタビューで「本編に存在しないシーンも撮影されているのでは?」という質問に「疲れすぎててそんなことできない」とコメントしているのである……。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー。

Sources: https://www.screengeek.net/2018/02/04/avengers-infinity-war-paul-bettany-new-details/
http://comicbook.com/marvel/2018/02/04/avengers-infinity-war-script-fake-scenes/
©THE RIVER

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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