【ネタバレ】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ヒーローのチームアップ、それぞれの背景と意図を脚本家が語る

「本作の見どころは豪華スターが演じるヒーローのタッグ、チームアップである」。
映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の内容が語られる上で、これまでに何度このような言葉が使われたのだろうか。しかし映画の公開以前はもちろんのこと、いざ本編を観てもなお「見どころはヒーローのチームアップ」だと言い切れるほど、本作には魅力的なキャラクターのコラボレーションが詰まっている。
マーベル・シネマティック・ユニバースの10年間、その魅力をひとまずぎゅっと凝縮した『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の仕掛け人たちは、こうしたクロスオーバーをいかにして企み、また仕掛けていったのか? 脚本家のクリストファー・マルクス&スティーブン・マクフィーリーは、各キャラクターの組み合わせについて、その経緯や意図を明かしている。

アイアンマン/ドクター・ストレンジ/スター・ロード/スパイダーマン
豊富なチームアップが見られる『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』において、最も豊かで、最も意外性が強いのがこの四者のコラボレーションだろう。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)や『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)で描かれたトニー・スターク/アイアンマンとスパイダーマンの師弟関係に、ドクター・ストレンジや、スター・ロードをはじめとしたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーも関わってくるのだ。なかでもロバート・ダウニー・Jr.とベネディクト・カンバーバッチが見せる、スターク&ストレンジの関係性はとりわけ繊細である。
マクフィーリー: ストレンジとスタークは、二人ともビジョンがあってエゴも強いという点で、このユニバースの同じ場所に存在しています。彼らは一番賢い人物ですが、そんな男たちを同じ場所に放り込めば何が起こるんでしょうね?
マルクス: 今、トニーは『アイアンマン』(2008)の頃にはなかった重圧を背負っています。『アベンジャーズ』(2012)でポータルを通り、エイリアンを見たわけです。地球上で唯一、なにか恐ろしいことが起こると直感しているんですよ。
マクフィーリー: (それに対して)ストレンジはより広く、より成熟した視点で物事を捉えられる。トニーには少しPTSDのようなところがありますね。“僕は見てしまった、なんとかしようと全力を尽くした、でも事態は起こってしまったんだ”という。
マルクス: トニーは事態を解決する責任を感じています。でもストレンジの方は、そんな方法がないことを悟っているのかもしれません。
マクフィーリー: ストレンジやスタークと同じように、スター・ロードも自分が一番賢いと思ってますよ。…ただ、彼は賢くない(笑)。
マルクス: 二人の男(スターク&ストレンジ)は互いに衝突しますけど、ある時、もう一人の男(スター・ロード)も大きな問題を抱えているんだと理解するんですよね。
マクフィーリー: ピーターの方は、とにかくどこへ行くのも楽しい。いろんなことに目を丸くしていて、まだ子どもなんです。過去2作品で描かれたトニーとピーターの関係性も大事にしたいと思いました。
ソー/ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーは、劇中でソーと出会い、ロケットとグルートはソーとともに旅をすることになる。本作の脚本家コンビにとって、彼らを描くのは今回が初めてのこと。「全員のキャラクターを、それぞれの監督ほど理解することはできません」と述べられているように、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督は二人の脚本を監修し、そこに自身のアイデアを盛り込んでいったのである。