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人間とは、愛とは何か ― 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ヴィジョンとスカーレット・ウィッチの物語は「エモーショナル」

アベンジャーズ

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で、かつてない変化を遂げるキャラクターがいる。ついに人間としての姿で登場するらしいヴィジョン、そして彼と恋愛関係になるワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチだ。
そもそもヴィジョンはアイアンマンのスーツに入っていた人工知能J.A.R.V.I.S.だったが、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)でマインド・ストーンを額に埋め込んだヴィジョンとしての肉体を得たのだった。しかしそれゆえに、インフィニティ・ストーンを探し求める闇の帝王サノスによってヴィジョンは狙われることになる。

アンソニー&ジョー・ルッソ監督は、本作におけるヴィジョンの存在が物語を動かすカギであることを示唆していた。ではヴィジョンの物語は、ワンダとの関係性は、この映画においてどんな役割を持つのだろうか? 2017年夏、撮影現場にて行われたインタビューで、ヴィジョン役のポール・ベタニーとワンダ・マキシモフ役のエリザベス・オルセンが語っている。

注意

この記事では、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の内容に言及しています。

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『シビル・ウォー』以降のヴィジョン&ワンダ

まずは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』本編より以前、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)以降のヴィジョンとワンダから紐解いていかねばならない。なにしろ同作で二人は別々のチームに属した(ヴィジョンはアイアンマン側、ワンダはキャプテン・アメリカ側)のである。そしてキャプテン・アメリカ側は、明らかに厳しい状況に置かれることになってしまった。

エリザベス: 私たちは違うチームにいて、(『シビル・ウォー』以降)キャップ側の人々は、さらに大変な任務に参加してきました。だから私たちは、人目を避けることを提案するのにもちょっと捉え方が違うんですね。でも、そんな時でも、別々の場所で会おうとはしてきたんです。二人の関係を前に進めようって。

その結果として、二人は前回の登場から関係性を大きく進展させたのだろう。予告編にも見られるように、二人の間にははっきりとした恋愛の空気が流れているのだ。ヴィジョンとワンダの関係を、エリザベスは「ソウルメイト」と形容する。またポールは、ヴィジョンのストーリーに描かれる重要なテーマを示唆しているのだ。

ポール: この冒険において、ヴィジョンは“人間であることとは何か”を理解するんだと思います。スカーレット・ウィッチはそのことの、また彼が愛とは何かを知ることの大きな手助けになるんですよ。“I wanna know what love is?”(「愛が何かを知りたい」と歌う)

ポールが歌ったのは、ロックバンド「Foreigner」による楽曲“I Want to Know What Love Is”。それはさておき、人工知能J.A.R.V.I.S.はヴィジョンとしての身体を得て、さらに人間へと近づいていく。エリザベスによれば、ヴィジョンとワンダをめぐる物語は「間違いなくこの映画で一番エモーショナル」なのだとか。

エリザベス: ヴィジョンが人間になっていくことが語られるとき、二人の関係が描かれているんです。すごく現実的な物語ですよ。

ポール: そして重要な物語ですね(笑)。僕も一番エモーショナルだと思います。(本作で)全員が対峙する犠牲や危険は、とても絶望的で、それゆえにかつてなく重要なものになる。アベンジャーズが、そして人類全体が危機と背中合わせなんです。だから以前の恨みは一旦忘れて、またの機会に延ばすんですよ。

ここでポールが示唆したのは、おそらくアイアンマンとキャプテン・アメリカの関係、そしてヴィジョンとウォーマシンの関係性だろう。史上最大の危機を前に、再びチームは団結せざるを得なくなるのである。しかしそんな中でも、チームに安心できる関係性の人物がいるのは、キャラクター個人にとって大きなことではないか……。エリザベスは「そう、そうですよ!」と力強く同意する。

エリザベス: いつも協力できる、特別なものがあるんです。いい感じですよ、すべてにおいて安心できる場所があるようで。撮影中、いつも考えるんです。私たちを地に足の着いた現実に引き止めておくものは何だろうって。(本作で)私たちには全編にわたってそういう存在がある。自分のそばに人生のパートナーがいるんですね。それが別の障害を生むことにもなるわけですけど。

その予感は、すでに予告編にも漂っているだろう。「サノスの子どもたち」の襲撃を受けたヴィジョンは、マインド・ストーンを狙われることになっているのである。

ポール: (サノスたち)悪いヤツらが僕の頭からストーンを取り出そうとするわけです。だからワンダと僕はそいつらを撃退して、治療のためにワカンダへやってくるんですね。治さなきゃいけませんから。

アンソニー・ルッソ監督によると、ヴィジョンをワカンダに連れてくると判断するのはキャプテン・アメリカだという。科学技術と軍事力を誇るワカンダは、インフィニティ・ストーンを守る「最後の砦」となるのだ。果たしてヴィジョンは額のマインド・ストーンを守り抜くことができるのか、ワンダとの関係性は劇中でどう変わっていくのか。そして「人間であること」とは何か……。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ウェブサイト:http://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-iw.html

Source: Collider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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