マイケル・ジャクソン伝記映画、大規模な追加撮影を実施 ─ 公開延期&2部作化の可能性、スタジオが認める

マイケル・ジャクソンの伝記映画『Michael(原題)』が、大規模な追加撮影を実施することがわかった。かねて予定通りの公開が疑問視されていたスケジュールについても、改めて延期の可能性が高まっている。米The Hollywood Reporter、Deadlineが報じている。
本作は伝説のポップスターであるマイケル・ジャクソンの栄光と悲劇、聡明ながら複雑な人物像を誠実なタッチで描く。本撮影は2024年5月に終了していたが、複数の要因から、2部作への再構成と公開時期の変更が検討されていた。
ライオンズゲートのジョン・フェルトハイマーCEOは、四半期決算発表後の経済アナリストとの電話会議にて、『Michael』は「今期(会計年度)からは外す可能性が高いので、2026年の決算には影響するものの、すでに強力な2027年のラインナップをより強化することになります」と発言。現在予定されている2025年10月3日から、2026年4月以降へと米国公開がずれる可能性が高いことを認めた。
また、映画部門を統括するアダム・フォーゲルソン氏は2部作化の検討を進めていることを正式に認め、「マイケル・ジャクソンの楽曲群や、音楽と芸術への貢献を考えたとき、それらが1本の映画に無理なく収まるかどうかが大きな問題です」と話した。
既報によると、本作にはすでに約30の楽曲を含む4時間近い映像が存在しているといい、フェルトハイマーCEOも「3時間半もの素晴らしい映像に興奮している」とコメント。ただし、フォーゲルソン氏は「3時間半」というボリュームは編集後のものではなく、現時点で撮影された映像の総量であると強調している。
新たな報道によれば、『Michael』は22日間にわたる大規模な追加撮影を6月に実施する予定。ただし、いまだ2部作化の最終決定は下されておらず、2作目の脚本は最終調整中。今回の再撮影は、仮に2部作化が決まったとしても1作目の内容になると伝えられている。情報筋によると、1作目はマイケル・ジャクソンがジャクソン5を脱退するところまでを描く構想のようだ。
ライオンズゲートによると、本作の正式な公開戦略と公開時期は「今後数週間以内」に発表されるという。

なお、ライオンズゲート側はこれまで言及していないが、本作には2025年1月に大きな製作トラブルが伝えられていた。映画の第3幕には、1990年代にマイケルから性的虐待を受けたとする告発者が登場していたが、諸般の事情でこの人物をカットする必要が出てきたのである。当時から「大規模な再撮影が必要で、脚本の再執筆が進められている」と報じられていた。
監督は『トレーニング デイ』『イコライザー』シリーズの名匠アントワーン・フークア、脚本は『007 スカイフォール』(2012)『グラディエーター』(2000)などのジョン・ローガン。マイケル・ジャクソン役はマイケルの実の甥ジャファー・ジャクソン、父ジョセフ役は『シンシン/SING SING』のコールマン・ドミンゴ、母キャサリン役は『search/サーチ2』(2023)のニア・ロング、弁護士ジョン・ブランカ役を『トップガン マーヴェリック』(2021)のマイルズ・テラーが演じる。
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Source: The Hollywood Reporter, Deadline