スーパーヒーロー作品出演は俳優人生の絶頂か?米人気俳優が疑問

現代のハリウッドを牽引するジャンルの一つに、“スーパーヒーロー”が挙げられるだろう。マーベルとDCを筆頭に、人知を超えたフィールドで華々しく大規模に展開される物語は多くの人に夢を与えてきた。
2019年公開の『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、『アバター』(2009)がそれまで保持していた世界累計興行収入の記録を抜き、トップに君臨した(※のちに中国で『アバター』再上映が実施され、順位は再び逆転)。ヒーロー役を演じた俳優たちの多くが、必然的にハリウッドでの揺るぎない地位を確立した。
スーパーヒーロー作品に出演したならば、それは俳優人生の絶頂だ。捉えようによってはこういった考え方もできるかもしれないが、少なくとも米人気俳優のジェレミー・アレン・ホワイトは納得しないだろう。「シェイムレス 俺たちに恥はない」(2011-2021)のリップ役で注目を浴び、2022年のドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」で再ブレイクを果たしたホワイトは、スーパーヒーロージャンルに対し、ある種の抵抗感を抱いているようだ。
米GQに登場したホワイトは、『ヴェノム』(2018)のヴィランを演じた俳優リズ・アーメッドから「君はいつマーベルに出るの?」と聞かれた時を思い起こしながら、本人の言葉を借りれば「マーベルっぽい映画(Marvel-y movie)」のための面会に参加した過去を明かしている。スタジオ幹部を前にしたホワイトは「反抗的な態度を取ってしまった」のだという。具体的には、“なんで私があなたがたの映画に出なければいけないのか、その理由を教えてください”と逆質問したそうだ。
「全くうまくいきませんでしたね」と続けるホワイトは、「彼らも“ふざけんな”って感じで。僕も僕で、“そうですか”という態度でした」と当時のやりとりを回顧。その上で、いち俳優としての本音を明かしている。
「俳優のキャリアの頂点が、あのような場所に行き着くという考え方には戸惑います。すごく良いフィルムメーカーと俳優が映画を作っていることは間違いないのですが。僕は自分がしたいようにしました。」
こう語るホワイトが惹かれるのは、大規模な予算が付くスーパーヒーロー映画ではなく、「ほとんどの俳優が作りたいと思う2,500万ドルの(人間)ドラマ」。「一流シェフのファミリーレストラン」で成功を掴んだホワイトの元には、「4つのA24作品」からオファーが届いたというが、出演を決めたのは、かつて呪われた一族と呼ばれた実在のプロレス一家の栄枯盛衰を描いた『 The Iron Claw (原題)』だった(製作費は1,590万ドル)。
映画監督のクエンティン・タランティーノは以前、「マーベル・キャラクターを演じて有名になった役者がたくさんいる。でも彼らは映画スターじゃないだろう?キャプテン・アメリカがスターで、ソーがスターなだけ」と持論を展開していた。これに対し、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)で主演を務めたシム・リウは「もしもスターになれる映画がタランティーノ作品やスコセッシ作品だけだったら、僕なんかは4億ドル超規模の映画の主役には絶対なれなかったと思う」と反論の意を示していた。
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Source:GQ