2020年1月19日（米国時間）、アカデミー賞の前哨戦としても名高い、第26回全米映画俳優組合賞の授賞式が行われた。主演男優賞に輝いたのは、『ジョーカー』（2019）のホアキン・フェニックス。受賞スピーチでは、かつて『ダークナイト』（2008）でジョーカー役を演じた故ヒース・レジャーへの謝辞を述べた。

今回のスピーチにおいて、ホアキンは同じくノミネートされた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のレオナルド・ディカプリオ、『フォードvsフェラーリ』のクリスチャン・ベール、『マリッジ・ストーリー』のアダム・ドライバー、『ロケットマン』のタロン・エジャトンにも敬意を示している。ここでは、ホアキンによるスピーチの全文をお届けしたい。

ホアキン・フェニックス 受賞スピーチ

「もう何年も前、この場所に来たのですが、その時は十分に感謝することができませんでした［※］。今は、この（俳優という）コミュニティの一員であることの幸せを感じています。俳優のみなさんと、それから我々の仕事に大きな敬意を払います。この場所に立てて、本当に光栄です。良ければ、一緒にノミネートされた方々のことを少しだけお話しさせてください。

僕が演じることを再開した時、オーディションに行くと、いつも最後には――どういう感じかは皆さんご存知だと思うんですが――戦う相手がもう2人いたんです。そして僕たちは、いつもこの男に負けていました。そういうことがあまりに多いものだから、彼の名前を口にする俳優はいなかったですよ　。だけど、キャスティング・ディレクターはみんな“レオナルド…レオナルド…”ってささやいてくる。“うわっ、このレオナルドって誰なんだ！”って……。レオ、君は25年以上、僕や大勢の人々に刺激を与えてくれています。本当に、本当に、本当にありがとう。

クリスチャン、どこにいるかな。クリスチャン、君は、僕には夢見ることしかできない形で、役柄に身を捧げていますね。君はダメな演技をしたことが一度もない。すごく腹が立ってます。一度くらい大失敗してくれたらいいのに。そうしてくれるとうれしいな、OK？

アダム。ここ数年の君が、とても美しく、繊細で、見事な、深みのある演技をしているのを観ています。君には感動させられているんです。この映画（『マリッジ・ストーリー』）の君は本当に素晴らしかった。だから、本当は君がここに立っているべきなんだ。

タロン、どこにいますか？ どこにいてくれても嬉しいんだけど。（見つけて）やあ、やあ、元気？ この映画（『ロケットマン』）の君はすごく良かったよ。僕もすごく嬉しい。別の役柄を見られるのも楽しみにしてます。

それから、僕は今、大好きな俳優、ヒース・レジャーのおかげでここに立っています。本当にありがとうございます。良い夜を。」

［※注：ホアキンは2000年『グラディエーター』、2004年『ホテル・ルワンダ』、2005年『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』で全米映画俳優組合賞にノミネートされているが、いずれも受賞は逃している。］

映画『ジョーカー』は2020年2月7日（金）より、IMAX＆ドルビーシネマにて〈アカデミー賞®最多ノミネート記念〉再上映。

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