巨匠ジョン・ウィリアムズ、一度も『スター・ウォーズ』を観たことがない?『エピソード8』は作曲終了

スター・ウォーズ』や『ジュラシック・パーク』、また『ハリー・ポッター』など、数多くの映画で名曲を生み出してきた巨匠作曲家ジョン・ウィリアムズが、自身の代表作である『スター・ウォーズ』を一度も観たことがないという衝撃の事実を明かした。しかも、観ていないのは『スター・ウォーズ』に限った話ではなさそうだ。

ジョン・ウィリアムズ『スター・ウォーズ エピソード8』の音楽制作をまもなく開始

観客になれない男

「もう私の手を離れた仕事だ。『スター・ウォーズ』は観たことがないよ。確かなことだ」

もちろん、ここでいう「観たことがない」とは、“観客として”観たことがない、ということだ。しかし『スター・ウォーズ』は、ウィリアムズにとって単なる代表作ではないだろう。『エピソード4/新たなる希望』の音楽で二度目のアカデミー賞作曲賞を受賞したばかりか、なによりも現在に至るまで、その楽曲の数々は多くの観客に親しまれている。『フォースの覚醒』で始まった新3部作も、引き続き彼が音楽を担当する予定だ。

しかしウィリアムズ自身は、自らの生んだ楽曲の数々を、決して“クラシック”とは思っていないという。

「(『スター・ウォーズ』で作った)多くの曲はそこまで思い出深いものじゃない。私の仕事では一番人気があるんだろうけどね」

もちろん多くの映画音楽は、それぞれの作品をきちんと観たうえで作られるものだ。しかしウィリアムズいわく、それゆえに作曲を終えた後は「もう観なくていい」という気持ちになるのだという。

「映画の仕事を終える時には、もうその映画と日々を過ごしてきて、ダビングやレコーディングなどもやっているんだよ。スタジオを出ると“ああ、終わった”って気持ちさ。いまや私には、劇場へ行って(自分の関わった)作品を観ようという情熱はなくていい。変に思われるかもしれないが、自分の音楽を録音したものもめったに聴かないんだ」

想像を絶する孤独

どれだけ仕事をしても、ウィリアムズは自身の音楽や携わった映画に触れ直そうという気は起こらないという。そればかりか、彼は自らの作品について「いくつかの曲は演奏されるし、多くの曲は当然忘れられていく」とドライな考え方を示している。それは生み出してきた曲の数が多いからか……と思いきや、ウィリアムズは自身の曲を「子供たちのように思う」とも語っている。

「私には三人の子供がいる。私は子供たちを愛してるし、彼らはすばらしいよ。でも親としては、もしかしたらもっとうまくやれたかもしれないと思うんだ。そのことは子供たちに伝わってほしくないけどね。でも本心では常に、なんでももっと上手にやれると思ってる」

自身の仕事に妥協を許さず、後悔を繰り返しながらも、振り返ることなく高みを目指す……。そんなストイックな仕事ぶりの一端は、上記の映像のほか、『エピソード5/帝国の逆襲』のレコーディング・セッションからも窺い知ることができる。

ウィリアムズの仕事の背景には、敬愛する作曲家たちの存在があった。

「私は作曲家だ。モーツァルトやベートーベン、バッハなど、私たちの知る偉大な音楽家たちを思うと、先人たちの素晴らしさの前では謙虚でいなければね」

またウィリアムズは、自らが作曲中にする作業と、かつてモーツァルトがやったであろう作業は「同じように華々しくない」とも語った。

「曲を書くのは本当に、本当につらい仕事だ。特にオーケストラに書くときはね。たくさんのエネルギーが必要なんだよ。こういう人生だから、いつも一人で部屋にこもってなきゃいけない。つらいし孤独だし、ひどく疲れるよ。私は今でも鉛筆と紙を使ってるのさ、コンピュータは持ってなくてね」

すでにウィリアムズは『スター・ウォーズ エピソード8(仮題)』の作曲を終えており、現在はスティーブン・スピルバーグ監督の新作に着手しているという。しかし今後も、彼が自らの曲を聴くことはないのだろう。

御年84歳にして恐るべきストイックさを見せている巨匠ジョン・ウィリアムズ、その仕事をできるだけ長く聴いていたいものだが……くれぐれも無理はしてほしくない。

『ローグ・ワン』作曲家が『スター・ウォーズ』巨匠ジョン・ウィリアムズから学んだこと。新『スパイダーマン』にも参加決定

source: http://www.mirror.co.uk/tv/tv-news/star-wars-composer-made-very-9497097
Eyecatch Image: http://www.telegraph.co.uk/film/star-wars-the-force-awakens/music-john-williams-score/ (Credit: Rex Features)

About the author

稲垣 貴俊(Takatoshi Inagaki)。THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくしてお伝えできればと思っております。

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