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『マダム・ウェブ』主演、不振は「私のせいではない」 ─ 「委員会や創造性のない人たちに決められた」「途中で別のものに変わってしまった」

Dakota Johnson
Photo by MTV International https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Dakota_Johnson_2018_(cropped).png | CC BY 3.0

ソニー・ピクチャーズによる2024年のマーベル映画『マダム・ウェブ』は、スタジオにとって苦い経験となった作品だ。興行収入も批評家・観客評価も惨敗を喫し、ソニーによる『スパイダーマン』関連映画シリーズにブレーキをかけるきっかけの一つとなった。苦戦が話題になったのち、主演のダコタ・ジョンソンは、アメコミ映画について「二度とやらない」とコメントしたことも話題となった。

ところがジョンソンは米The Los Angeles Timesで、『マダム・ウェブ』への新たな見解を示している。インタビュー中に同作の話題に触れられると、ジョンソンは“目を細めて姿勢を正し”、作品の失敗について「私のせいではないです」と少し笑って答えたという。

ジョンソン曰く、『マダム・ウェブ』は最終的に、当初のビジョンとはかけ離れた作品になり変わってしまった。「多くのクリエイティブ上の決定が、委員会によって行われる、ということがあるんです。あるいは、まるで創造性のない人たちによって決められてしまう。そういう中でアートを作るのはすごく難しい。エンターテインメントを作るのも難しい」とスタジオのあり方を批判しながら、「残念ながら『マダム・ウェブ』では、途中で別のものに変わってしまった。その時点で私は、ただ乗り物に乗っているだけという状態になってしまった」と振り返った。「でも、そういうものです。大予算映画が失敗するのは、よくあること」。

苦い経験となったが、「手当の絆創膏は持ち合わせていない」と心境を語るジョンソン。以前にはアメコミ映画との決別を語っていたが、今回は「私としては、“もう二度とやらない”ということはありません」と改めた。「もっと小規模で、うまくいかなかった映画だってやってきた。だから気にしませんよ」。

ジョンソンは『マダム・ウェブ』製作中にさまざまな介入があったことを示唆しているが、同じような情報はアーニャ役イザベラ・メルセードからも語られている。「 “船頭多くして船山に登る”って感じで、誰かが良かれと思ってやったことも、他の誰かはその意味合いを理解できていないこともあると思います」と、クリエイティブ上の不和があったことを指摘しているのだ。

一方、ソニー・ピクチャーズでCEOを務め、2025年初に退任したトニー・ヴィンシクエラは、作品の不遇はマスコミや批評家のせいであると咎めている。「『マダム・ウェブ』劇場興行の不振は、マスコミが酷評したためです。あれは悪い映画ではなかった。Netflixではうまくいっています。どういうわけか、マスコミは我々に『クレイヴン』や『マダム・ウェブ』のような映画を作って欲しくないと決め込んで、批評家たちがぶち壊したのです」。

『マダム・ウェブ』での経験を良いものに転換したのが、ジュリア・コーンウォール役のシドニー・スウィーニー。「楽しかったから、別にいいんです。仕事が楽しければ、興行収入の結果はどうだっていいかな」と爽やかに語るスウィーニーは、この大作への出演をきっかけとして、主演作のヒットや大作へのオファーといった快挙を続けている。

Source:The Los Angeles Times

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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