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【インタビュー】『ジョジョ・ラビット』ユダヤ人少女役トーマシン・マッケンジー、撮影中ジョジョ役ローマン君の「命を救ったんです」

ジョジョ・ラビット
(C)2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment

第二次世界大戦下のドイツを舞台に、空想上の友達であるヒトラーに背中を押されながら立派な兵士を夢見て日々奮闘する10歳の少年ジョジョを描く、タイカ・ワイティティ監督最新作『ジョジョ・ラビットが公開中だ。

44回トロント国際映画祭にて最高賞<観客賞>に輝き、第92回アカデミー賞では作品賞含む6部門にノミネートされている世界大注目の作品は、2020117日(金)より日本でも公開がスタート。126日(日)までの10日間で累計興収は17,000万円を突破し、日本中で大ヒットを記録している。

「ユダヤ人=悪」と教えられてきたジョジョの前に突如現れたユダヤ人少女エルサをユーモアたっぷりに演じたのは、ニュージーランド出身の女優トーマシン・マッケンジー2018年出演作『足跡はかき消して』では、同年の放送映画批評家協会賞の若手女優賞にノミネートされ、ティモシー・シャラメ主演のNetflixオリジナル映画『キング』(2019)では、ヘンリー五世に扮するティモシーの妹フィリッパを演じるなど、現在19歳にしてハリウッドが今最も注目する若手女優のひとりだ。

ジョジョ・ラビット
(C)2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment

THE RIVERでは、トーマシンに電話インタビューを行い、『ジョジョ・ラビット』の撮影秘話や、役作りに関するエピソード、今後の展望について聞くことができた。

「私、ローマンの命を救ったんです」ほっこり撮影秘話

──まず始めに、「エルサ」というキャラクターについてお聞きしますね。隠し扉に匿われたユダヤ人の少女ということで難しい役どころだったと思いますが、エルサを演じてみていかがでしたか?

とっても大変でした。「エルサ」という役柄自体がこれまでの歴史を背負っていて、この役柄を通して物語を伝えることに、とても大きな責任があると感じたんです。できる限りのリサーチをして、全力でこの役を演じきることができれば、と思いました。演じていて難しい役ではありましたが、過去の残虐な行為を世界全体が忘れないように何度も繰り返して伝えることが大切だと思ったので、「エルサ」という役を演じる機会に恵まれてとても幸運でした。

ジョジョ・ラビット
(C)2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment

──エルサと同じユダヤ人の少女、アンネ・フランクの物語『アンネの日記』は日本でもとても有名で、エルサを見てアンネの姿を思い起こした観客もいると思います。実際は役作りをする上で、何か意識したことはありますか?

この役の話を頂いてすぐに、それこそ『アンネの日記』やアンネのような経験をされた方々が執筆した物語を読みました。第二次世界大戦やホロコーストなどの歴史についても、何度も何度も学び直しましたね。でも、役作りのなかで一番重要だったのは、プラハ(映画の撮影地)に着いてすぐにユダヤ人地区やユダヤ教の礼拝堂、プラハのはずれにあった強制収容所を訪れたことです。役作りにおいては、多くの歴史を持つ場所に、物理的に身を置くことが一番重要なことだと思います。

──主人公ジョジョを演じたローマン君にとっては、本作が映画初出演のお仕事だったと伺いました。ある意味ローマン君との共演で、ご自身のキャリアの始まりを思い出したのではないでしょうか。懐かしい気分になりましたか?

そうですね少しだけかな。ローマンは私が最初に映画出演した時よりもずっと感情的に大人でしたね(笑)。演技も私より上手で。私は映画に初めて出演したのが9歳なんですけど、かなり楽しんでいた記憶があります。ローマンみたいな大人っぽさ、責任感はなかったですね(笑)。

──撮影中、ローマン君とのエピソードで印象に残っていることはありますか?

これ、あんまり話していないんですけど、私、ローマンの命を救ったんですよ!

──えっ、命を救ったんですか?

そうなんです!撮影最終日のことなんですけど、スタジオでローマンのお母さん、カミラさんとおしゃべりしていたんです。その時、誰かが咳をしているのが聞こえて。なんだか息を詰まらせているような声がしたんです!ふたりでローマンじゃない?って彼の部屋に駆けつけてみたら、そこで喉に何か詰まらせているローマンがいて。なんとか吐き出させてローマンは無事だったんですけどね。あの子、魚の骨を喉に詰まらせていたんですよ(笑)。これがローマンとの一番の思い出かもしれませんね。

──劇中には暗い部分もありましたが、撮影中に何かほっこりする場面はありましたか?

ローマンにはずっとほっこりさせられっぱなしでしたよ。とても素晴らしい機会に恵まれて、美しい仕事ぶりで。彼の美しい演技を観ていることが大好きでしたね。

Writer

SAWADA
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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