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【徹底解説】『ジョーカー』初の予告編映像が公開 ─ ホアキン・フェニックス演じるジョーカーの怪演に震えろ

https://youtu.be/t433PEQGErc

米ワーナー・ブラザース&DCコミックス製作、ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』単独映画より、初のティーザー映像が公開された。この前夜には、ティーザー・ポスターも初公開となっている。


 
 
 
 
 
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約2分半におよぶ本映像には、かつて喜劇王チャーリー・チャップリンが『モダン・タイムス』(1936)のために作曲した「スマイル」と共に、全く新たなジョーカーの苦悩と狂気が収められている。

「いつも母に言われた。笑って、楽しそうな顔をしなさいって。」ホアキン・フェニックス演じる主人公アーサーの声は、どこかもの寂しく、そして幼いように聞こえる。夜、ひとりノートに「ジョーク」を書き込むその字も、書き連ねるにつれて子供のような筆跡になっている。

アーサーは路上でピエロ姿の客引き仕事をしているようだ。しかし、質の悪い通行人にボードを奪われ、路地裏で暴行を受ける。「おかしいのは僕だけか、それとも世の中が狂っているのか。」ロッカールームで、抑えきれない暴力衝動の片鱗を見せるアーサーの背中からは、弱々しく、しかし不気味な危険性が漂ってくる。

どこか中性的なしぐさが印象的なホアキン版ジョーカーは、この予告編で早くもその「笑い声」を聞かせている。『バットマン』(1989)ジャック・ニコルソン、『ダークナイト』(2008)ヒース・レジャー、『スーサイド・スクワッド』(2016)ジャレッド・レトのものとは違って、高い声で狂ったバネのように笑う一面も。どちらかと言えば、1960年代TVシリーズのシーザー・ロメロ版に近い印象だ。まるで悪意の無いような、その力無さがかえって不気味である。

やがて、ピエロ姿のまま狂気を深めていくジョーカーの姿に、ブレット・カレン演じるトーマス・ウェイン(バットマン/ブルース・ウェインの父)の堂々とした低い声が重なる。「ゴッサムは道義を失った。どこの卑怯者がこんな残酷なことを?おそらく、マスクで顔を隠した者だろう。」ゴッサム内でおぞましい事件があったのだろう。トーマスの言葉をテレビで見るアーサーの姿に続けて、ピエロマスクの集団が駅で騒ぎを起こす中、マスクを捨て去るカットが見られる。ジョーカーにマスクはいらない、必要なのは笑顔と狂気だ。

「かつてはこう思っていた。僕の人生なんて悲劇だって。でも気付いたよ。これは喜劇だ。」

噂は忘れて、まずは映像を堪能

これまで作品によってオリジン設定が複数あり、素性のわからなさがキャラクターの不気味さをいっそう引き立てていたジョーカーだが、本作も謎多き作品だ。後にバットマンとなる幼いブルース・ウェインや父トーマス・ウェイン、執事アルフレッドなどが登場することがわかっており、メディアやファンは様々な想像をめぐらせていた。一方で監督のトッド・フィリップスが米開催のイベントCinemaCon 2019で語ったところによると、飛び交っている噂情報には不正確なものが多いというから、ひとまずは公開された予告編から最大限の想像を膨らませて待つのが良さそうだ。

「まだ製作中なので、撮影についてあまりお話できることはありません。サプライズにしたいとは思います。とは言え、この映画はこうなるとか、こうならないとか、様々な憶測が飛び交っていますが、そのほとんどがあまり正確じゃないんですよね。でも、これまで決定的なオリジンが存在しなかったキャラクターのオリジンを描く際に期待されるべきものになっていると思います。」

これまでのシリーズとは関与しない独立作に

本作『ジョーカー』は、米ワーナー・ブラザースとDCコミックスの今後をうらなう、極めて重要な作品だ。なにせこの映画は、『ジャスティス・リーグ』や『ワンダーウーマン』『アクアマン』『シャザム!』といったこれまでのシリーズには属さない、完全に独立した物語。『スーサイド・スクワッド』でジャレッド・レトが演じた成金趣味なジョーカーとも関係しない。ユニバースのつながりを意識しない方針を取り始めているDC映画において本作がいかに究極的であるかが分かるだろう。『ジョーカー』は今後の作品展開における試金石となり得る。

 
 
 
 
 
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既にファンからの期待も高い。米映画チケット販売大手Fandangoが発表した「2019年期待の映画ランキング」では10位にランクインした。順位だけを見れば特筆すべき結果ではないかもしれないが、同ランキングは1位の『アベンジャーズ/エンドゲーム』に始まり、9位『ダンボ』に至るまで全てがディズニー関連作品(4位『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』もマーベル・シネマティック・ユニバースに属する)。間もなく20世紀フォックスとの企業統合も完了しようというディズニーが制圧する同ランキングに入り込んだジョーカーは、世界の期待を背負ったラストスタンドとも言えるのだ。

『ジョーカー』はこんな映画に

作風においては王道エンターテインメント路線を確立しつつあるDCコミックス映画だが、本作では久しぶりに写実主義に立ち返る。1980年代を舞台に、一人の青年が“狂気の犯罪王子”へと変貌していく様子を追う本作は、マーティン・スコセッシ監督作品『キング・オブ・コメディ』(1982)の影響を受けて、「社会から疎まれた男をリアルな人物描写で」描く作品となるようだ。

 
 
 
 
 
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主人公アーサー・フレック/ジョーカーを演じるのは、『ザ・マスター』(2012)や『her/世界でひとつの彼女』(2013)などのホアキン・フェニックス。トーク番組の司会者役でロバート・デ・ニーロ、アーサーに興味を寄せられるシングルマザー役で『デッドプール2』(2018)のザジー・ビーツ、アーサーの母親役でドラマ「シックス・フィート・アンダー」(2001-2005)のフランセス・コンロイが出演する。

なお本作には、DCコミックスおなじみのキャラクターも登場。幼いブルース・ウェイン役を『ビューティフル・デイ』(2017)のダンテ・ペレイラ=オルソン、トーマス・ウェイン役を「ナルコス」(2015-2017)のブレット・カレン、執事アルフレッド役を『レッド・スパロー』(2018)のダグラス・ホッジが演じる。

脚本・監督は、『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップス。共同脚本は『8マイル』(2002)や『ザ・ファイター』(2010)のスコット・シルバーが務め、プロデューサーには俳優ブラッドリー・クーパーが名を連ねた。

本作はこれまで、2018年9月には「カメラテスト」と添えられた映像が公開されていた。ホアキン演じるアーサーが、ピエロ姿でおどける映像とオーバーラップ。BGMに起用されているのはカナダのロックバンドThe Guess Who(ゲス・フー)が1969年にリリースした”Laughing”だ。オリジナルの歌詞を一部入れ替え、「笑うべきなのに泣いてしまう/きみの愛が過ぎ去ったから/ビックリしちゃったな/気づかなかったけど、きみ、笑ってたんだね」のリリック部分が起用された。

 
 
 
 
 
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最後の”laughing”に合わせて、トリッキーな色使いのスーツにおなじみの緑の髪、そしてピエロメイクでジョーカーらしい姿となったアーサーが不穏な笑みを浮かべるが、ふと真顔となって暗転。次の瞬間にどんな言動を取るのか全く分からないというジョーカーの不気味さを暗示するかのような映像だった。

映画『ジョーカー(邦題未定、原題:Joker)』は2019年10月4日より米国公開予定。撮影は2018年12月に終了され、残るは編集作業のみとなっていた。初公開となったティーザー映像に、期待はますます高まるばかり。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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