『アベンジャーズ』前2作の監督、『インフィニティ・ウォー』のサノスは 「僕では思いつかなかった」と大絶賛

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)は、「悪役の魅力に欠ける」と一部で評されてきたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に、「ダース・ベイダー以来のヴィラン」サノスを登場させることで、シリーズの完全性を補強した。
『インフィニティ・ウォー』以前のMCU作品にも度々姿を見せていたサノスとあって、『インフィニティ・ウォー』へは”満を持して”の登場となった。言わばサノスの”牽制”は、過去作を手がけてきた複数の監督らによってリレーのように引き継がれてきたわけである。
『アベンジャーズ』(2012)のポスト・クレジット・シーンでは、玉座のサノスが不敵に振り向く姿が、そして『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)ポスト・クレジット・シーンでは、ついに立ち上がったサノスがインフィニティ・ガントレットを装着しながら「私が手を下そう」と発する姿が描かれていた。ところが、この2作で監督を務めたジョス・ウェドンは、当時サノスが今後どのような存在として描かれるのか、全く知らなかったのだという。米IGNがレポートした。
「サノスをどう扱えばいいのか分からなかった」というジョスは、「こういう方向性でいくんだ、ということは知らなかった」と打ち明ける。「僕としては、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』をこなして、4年間(※厳密には3年間)お休みして、それから(『インフィニティ・ウォー』の)プレミアに行ってやろうと。で、結果はすごく良かった!」
インフィニティ・ストーンの全てを手中に収め、全知全能の力を得て銀河の生命を半減させるというサノスの基本設計は、原作コミックそのまま。ただしコミックでは、その動機を「デス」という名のキャラクターへの愛としていた。デスはその名の通り死を象徴するキャラクターで、コミックではそっぽを向いたデスを振り向かせるために破壊活動を行うエピソードや、デスは狂人サノスが死を具現化して見ていた幻のような存在と解釈するエピソードなどが存在する。
「サノスの黙示録的な観点や、デスとの恋愛も好き」と語るジョスだが、『インフィニティ・ウォー』でこの設定が割愛されたことについて「彼らはやるべきことをやったと思います。(サノスとデスの恋は)必ずしも翻案する必要はないもの。悪役の場合はそうした方が都合がいい時もあります」と納得している。
ジョスは、『インフィニティ・ウォー』で見事に映像化を果たした映画版サノスについて「気に入りました。ジョシュ・ブローリンもすごかったですね。劇中で素晴らしい仕事をやってくれました」と称賛。『アベンジャーズ』やその続編『エイジ・オブ・ウルトロン』を大ヒットに導いておきながら、サノス映像化については自分には成し得なかったとまで感服している。
「言うならば、僕は破壊が大好きなんです!同時に(サノスは)虚無主義者でもあるでしょう。彼の考え方は筋が通っているし、自分では正義だと思っている。これが上手いですよね。だから今回の仕上がりはすごく気に入っています。(サノスの展開について)僕は全然知らなかったし、僕では思いつかなかったと思いますね。」
映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』MovieNEXは2018年9月5日発売。『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』は2019年4月26日(金)公開予定だ。
Source:IGN