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DC映画『ジャスティス・リーグ』思わぬ超大作に ― 再撮影に予算2,500万ドル追加、俳優スケジュールの調整に苦心

もはや、これを製作トラブルと呼ぶべきかどうか
DCエクステンデッド・ユニバース作品『ジャスティス・リーグ』の再撮影に膨大な予算とスケジュールが追加され、本作が予想外の超大作となっていることが判明した。バラエティ誌が独自に報じている。

2017年6月6日(現地時間)、本作『ジャスティス・リーグ』の再撮影はロンドンにてスタートしている。当時からこの再撮影については、最大8月までかかる長期の撮影になることが報じられていた。

しかしバラエティ誌が取材した複数の関係者によると、これは当初の予想を越える規模のものらしい。
ワーナー・ブラザース社は『ジャスティス・リーグ』の再撮影に約2,500万ドルの予算を追加、さらに再撮影はロンドンとロサンゼルスにて2ヶ月にわたって行われているという。ハリウッドでは、一般的に映画の再撮影・追加撮影には600~1,000万ドルの予算が投じられ、またその期間は数週間に抑えられる。すなわち予算と期間の両面で、すでに本作の再撮影は中規模の映画が一本製作できてしまうレベルの事態となっているのだ。

スター俳優も全面的に参加へ

ハリウッド・レポーター誌の記者であるボリス・キット氏によれば、やはり『ジャスティス・リーグ』の再撮影は「重大」なものであり、一部の俳優は最大4週間にわたって撮影に拘束されているようだ。

しかし『ジャスティス・リーグ』で主役を務める俳優陣は、ベン・アフレック、ガル・ガドット、エズラ・ミラー、ヘンリー・カヴィルといった“今をときめく”顔ぶれである。再撮影で彼らを拘束するのは大変だったのではないか……と想像するまでもなく、やはり現場は大変な状況になっているらしい。

たとえばエズラ・ミラーは、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)の続編が2017年の初夏から始まる予定だった。ただし同作は『ジャスティス・リーグ』と同様ワーナー・ブラザース作品のため、調整はさほど難しくなかったという。
むしろ問題は、パラマウント・ピクチャーズ製作の『ミッション・インポッシブル6(仮題)』に参加していたヘンリー・カヴィルのケースだ。バラエティ誌によると、カヴィルは同作の撮影を終えてから『ジャスティス・リーグ』の再撮影に合流する予定だったが、スケジュールの変更により、二つの現場を行き来することになったという。『ミッション・インポッシブル6』の撮影でカヴィルは口髭を伸ばしていたため、『ジャスティス・リーグ』の再撮影パートはCGで髭を消去する必要があるようだ。

いうまでもなく、こうした予算とスケジュールの追加はワーナーにとって大きな負担となる。しかし裏を返せば、ワーナーにとって『ジャスティス・リーグ』とは、今やそれほどまでに絶対失敗できない作品なのだ。
ディズニー/ルーカスフィルムが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)で大規模な再撮影を実施したことは記憶に新しいが、それは「『スター・ウォーズ』ブランドで失敗するわけにはいかない」という強い意向による英断だっただろう。すなわちワーナーは今回、それと同等の判断で『ジャスティス・リーグ』の再撮影に踏み切っているはずだ(『ワンダーウーマン』の記録的大ヒットも、この動きにはプラスに作用したとみられる)。そして何よりも、ワーナーには「再撮影すれば成功する」という強い確信があるに違いない。

現在『ジャスティス・リーグ』の再撮影は、製作半ばで降板となったザック・スナイダーに代わり、『アベンジャーズ』(2012)を手がけたジョス・ウェドンが指揮を執っている。なお、ウェドンのクレジットはスナイダーと並んで「監督」となるようだ。

映画『ジャスティス・リーグ』は2017年11月23日より全国ロードショー

Sources: http://variety.com/2017/film/news/justice-league-reshoots-1202502433/
http://collider.com/justice-league-reshoots-details/
©2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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