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【解説】征服者カーン役ジョナサン・メジャース解雇、マーベル映画の影響は?考えられる「2つのシナリオ」とは

アントマン&ワスプ:クアントマニア
(c)Marvel Studios 2023

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)で征服者カーン役を演じていた俳優のジョナサン・メジャースが、元交際相手に対する第三級加重性暴行罪およびハラスメントで有罪になったことを受け、ディズニーより解雇された。MCUの計画が大きく狂うこととなる。この記事では、メジャース解雇がMCUにどのような影響を及ぼすかを解説する。

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メジャースはMCUフェーズ4以降の「マルチバース・サーガ」の屋台骨となるはずの俳優だった。彼が演じた征服者カーンは、マルチバース(=並行世界)に無数の変異体が存在するという設定で、かつて「多元宇宙間戦争」を引き起こしたという張本人だ。マルチバースでは別世界のヒーローが共演できるという利点もありつつ、これを悪用して無数の別世界の脅威の集合体となりうるのが征服者カーンだった。

ロキ
(C)2021 Marvel

メジャースは、ドラマ「ロキ」(2021)シーズン1最終話(フェーズ4)で初登場した。このエピソードでメジャースは“在り続ける者”の名で登場し、時間軸を取り締まる機関TVAの創設者は自分であること、別の時間軸から彼ら(=MCU)の時間軸を切り離して管理していたことを明らかにした。“在り続ける者”の無数の変異体は極めて邪悪だが、彼はその中でも最も平穏な類の1人だった。しかし、ロキの変異体であるシルヴィが怒って彼を刺殺したことによって、無数のマルチバースが発生。これをもってMCUは、いわば「大マルチバース時代」に突入したのだ。後続の映画で異世界のヒーローたちの共演が見られたのは、全て“在り続ける者”が起点になっていた。

アントマン&ワスプ:クアントマニア
© 2022 MARVEL.

フェーズ5の第1作である映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023)では、早速その邪悪な変異体である征服者カーンが初登場した。量子世界に閉じ込められていたが、アントマンたちの奮闘によって倒された。しかし、映画のおまけシーン(ミッドクレジットシーン)では、カーンのさらなる変異体たちが大量集結。ようやっと倒したカーンは彼らのうちの一体に過ぎず、まだ無数のカーンが控えているという絶望を示した。原作コミックの「ラマ・タト」「スカーレット・センチュリオン」「イモータス」という変異体個体も描かれ、今後への伏線となっていた。

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メジャースの事件と逮捕は2023年3月に起こっており、裁判は11月より開始された。10月6日より配信された「ロキ」シーズン2時点ではまだ“推定無罪”に則り、ディズニーはメジャースの出演場面をカットすることなく、元々撮影済みだったドラマを予定通り配信した。

ロキ
© 2023 MARVEL.

「ロキ」シーズン2はタイムトラベルやマルチバースを扱う内容で、メジャースはシーズン1で演じた“在り続ける者”と、その変異体である風変わりで純粋な科学者ヴィクター・タイムリーを演じ分けた。このシーズン・フィナレーでは、ロキが“在り続ける者”に成り変わるような結末が描かれていたが、無数の異世界に潜む征服者カーンの脅威は依然として残ったままだった。

ここまでが、メジャース有罪までに描かれたMCUにおける征服者カーンの物語だ。これから、MCUにどのような影響が生じうるかを考えてみよう。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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