『キル・ビル Vol.3』実現の可能性高まる ─ クエンティン・タランティーノ、ユマ・サーマンと再び面会

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)が高い評価を受けている映画監督クエンティン・タランティーノが、代表作『キル・ビル』の続編を製作する可能性が高まっていることを認めた。
2003~2004年に製作された『キル・ビル』2部作は、元殺し屋の主人公ザ・ブライドが、かつての組織のボスであるビルと殺し屋たちに婚約者と胎内の子どもを殺害され、4年間の昏睡状態から目覚めた後、復讐のために立ち上がる物語だ。日本映画に大きな影響を受けた活劇としての『Vol.1』、マカロニ・ウエスタンやカンフー映画の影響色濃い『Vol.2』からなる。2019年7月、タランティーノは『Vol.3』の構想があることを明らかにしていた。
このたび、米国のラジオ番組「Radio Andy」に出演したタランティーノは、「『キル・ビル Vol.3』は実現しそうですか?」との質問に「ちゃんと実現しそう」と答えている。
「たまたま昨日、ユマ・サーマンとディナーに行ったばかりなんですよ。とってもクールな日本料理屋でね。[中略]僕には(『Vol.3』で)やりたいことがあります。しっかりと、あの(『キル・ビル』の)コンセプトを乗り越えるようなアイデアが…つまり、あれからザ・ブライドに何が起こったかを描きたいんです。意味のない冒険を考えるようなことはしたくない、彼女にはふさわしくないから。ザ・ブライドは長い間、懸命に戦ってきたんですよ。面白くなりそうだと思っています。」
ただしタランティーノは、「ちゃんと実現しそうですよ」と述べつつも「少なくとも3年後になるでしょう」とも話している。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を執筆したあと、戯曲やテレビドラマの脚本を手がけたというタランティーノは、「向こう3年くらいは書いたものを作ると思います。次のことはそれからです」と語っているのだ。
タランティーノは長編10作目で映画監督業からの引退を宣言しており、9作目『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が完成した今、残すところはあと1作。『スター・トレック』新作映画(タイトル未定)の企画を進めながら、『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)の続編企画にも携わっているとされているだけに、次回監督作品がどの企画になるのかは分からない。もっとも、キャリアの変遷から鑑みると、『キル・ビル Vol.3』が引退作となることは筋が通っているといえそうだ。なにしろタランティーノは、引退作を映画キャリアの「エピローグ」として位置づける意向を示していたのである。
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Sources: SiriusXM, Comicbook.com