『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』賛否両論ブレンダン・フレイザーの演技、「完璧だった」とスコセッシ監督が擁護

マーティン・スコセッシ最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』では、『ザ・ホエール』(2022)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザーが僅かな登場ながらも大きな存在感を見せつけた。その一方、フレイザーの演技について「大げさだ」という否定的な声もSNS上では見られ、なかには「場違いである」との意見もあったことを米Varietyは伝えていた。
そんな中、スコセッシ監督は本作におけるフレイザーの演技を賞賛している。米LadBibleは記者会見でスコセッシが以前語った内容を紹介。フレイザーのキャスティングについて聞かれたスコセッシは「彼は弁護士役に素晴らしいと思いました」と語り、こう続けたという。
「彼の長年の仕事ぶりには感心していました。撮影の後半、数週間だけ参加しにきて、私たちも良い時間を過ごしながら一緒に働いていました。レオ(レオナルド・ディカプリオ)との相性は抜群で、“あいつらは自分で自分の首を絞めているんだ。彼は君を助けようとしているんだぞ、愚か者よ”と言うシーンは特に良かった。
私たちは耳を傾け、彼はシーン全体をレオに引き寄せたのです。あれは完璧でした。それをもたらすだけの風格もありました。あの時の彼はフレームに大きく映っていました。素晴らしい俳優で、仕事を共にするのに最高な方です。」

フレイザーが演じたのは、弁護士のWS・ハミルトン。劇中後半、オセージ族連続殺人事件の首謀者として起訴されたロバート・デ・ニーロ演じるウィリアム・ヘイルの弁護人を務めた。わずか数分の登場となったが、その猛々しい姿は劇中で大きなインパクトを与えた。
もっとも、フレイザーの演技は賛否を分けた。米USA Todayは米X(旧Twitter)に投稿された一般の観客の感想を紹介しており、「限られた時間の中で最大限の力を出し切った」と絶賛する声もあれば、「『ザ・ホエール』での演技に感心した者として、彼の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』での演技は私の人生で最悪だった」と失望をあらわにする声もあった。
フレイザーは、『ハムナプトラ』シリーズをはじめ1990年代後半から2000年代前半にかけてアクションスターとしての地位を確立。ハリウッドから距離を置く時期も経ながら、2022年には『ザ・ホエール』で堂々のカムバックを果たした。2023年4月には同作のプロモーションで来日し、THE RIVERの単独インタビューにも応じてくれている。
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Source:Variety,LadBible,USA Today