『ラ・ラ・ランド』極上ミュージカルを彩る出演者たち ─ ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンドほか

デイミアン・チャゼル監督によるミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』(2017)は、監督自身による卓越したシナリオと演出、ジャスティン・ハーウィッツの作曲によるミュージカル・ナンバーによって絶大なる評価を獲得、映画賞でもすぐれた成果を残した。
しかしながら本作の肝は、歌い、踊り、そしてせりふの積み重ねによって主人公の二人に複雑さと奥行きをもたらしたライアン・ゴズリング&エマ・ストーンというタッグにもあった。もちろん、二人を取りまく人々の存在感も決して忘れてはならない。本記事では『ラ・ラ・ランド』という極上のミュージカルに細部まで血を通わせた出演者たちを、それぞれの役どころとともにご紹介したい。

Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.
『ラ・ラ・ランド』登場人物と出演者たち
ライアン・ゴズリング(セバスチャン・“セブ”・ワイルダー役)

『ラ・ラ・ランド』の主人公のひとり、ジャズに焦がれ、同時にその行く末を憂いながらも自身の店を構えたいと夢見るピアニストのセブを演じるのは、いまや映画ファンには説明不要の人気俳優ライアン・ゴズリングだ。
1980年生まれ、1993年から子役としてキャリアをスタートさせたライアンが大きな注目を浴びたのは、レイチェル・マクアダムス共演の恋愛映画『きみに読む物語』(2004)。その後は『ハーフネルソン』(2006)や『ラースと、その彼女』(2007)、『ブルーバレンタイン』(2010)などで高い評価を獲得。『ドライヴ』(2011)や『オンリー・ゴッド』(2013)などのスリラー/犯罪映画にも数多く出演した。
キャリアを通じて、ライアンはロマンティック・コメディからダークなSFドラマまで作品の規模やジャンルを問わず実力を発揮。近年は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)や『ナイスガイズ!』(2016)、『ブレードランナー 2049』(2017)などに出演した。2014年には監督デビュー作『ロスト・リバー』(2014)を発表、第2作を準備中とも報じられている。最新作は『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル監督と再びタッグを組んだ『ファースト・マン』(2019年2月8日公開)。
エマ・ストーン(ミア・ドーラン役)

『ラ・ラ・ランド』もうひとりの主人公は、いつかスター女優になることを夢見ながら撮影所のカフェで働くミア。演じるエマ・ストーンは1988年生まれで、2004年にテレビドラマで活動を開始した。
エマの映画デビュー作は、青春コメディの傑作として愛される『スーパーバッド 童貞ボーイズ』(2007)。その後も『ゾンビランド』(2009)や『小悪魔はなぜモテる?!』(2010)などコメディ映画を中心に活躍したエマにとって、大きな転機は『アメイジング・スパイダーマン』(2012)への出演だった。エマは知名度を大きく伸ばし、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)で多くの映画賞にノミネート。『ラ・ラ・ランド』ではアカデミー賞主演女優賞などを射止め、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(2017)の演技も高く評価された。
近作には久々のドラマ出演となった「マニアック」(2018)があるほか、『女王陛下のお気に入り』(2019年2月15日公開)ではアカデミー賞助演女優賞へのノミネートされた。いまやオスカー常連となった感もあるが、次回作は10年前に出演したゾンビ・コメディの続編『ゾンビランド:ダブルタップ(原題:Zombieland: Double Tap)』。作品の選び方も厚い支持の理由かも…?