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【インタビュー】『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は「世界中で起きている出来事」─ 監督&主演が想いを語る

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ
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『ゴーストワールド』(2001)についても色々と考えて、その過程の中でソーラ・バーチ(同作で主人公イニード役を演じている)をバスの場面で出演して貰う事になったのです。10代の時に初めて、あの作品を観たのですが、非常に感銘を受けました。前々から、ジミー(・フェイルズ)演じるキャラクターと、ソーラ・バーチ演じるキャラクターにも共通点があると感じていましたよ。

僕とジミーが愛して止まない映画『Nothing But a Man(原題)』(1964)も参考にしました。本作と物語自体は全く異なるのですが、心温まるような精神性が作品全体を包み込んでいます。非常に強烈で痛みを伴う主題を扱っていますが、そこに存在するキャラクター達は常に優しさに満ち溢れています。そのような精神性に影響を受けました。キャラクターだけでなく、世界をどのように撮るのかにも。

あと忘れてはいけないのが、『WE ARE LITTLE ZOMBIES』(2019)を手掛けた友人の長久允監督ですね。彼とはサンダンス映画祭で出会いました。その時は互いに短編が出品されていて、2年後に再び長編映画を引提げてサンダンス映画祭で再会しましたね。彼の短編(『そうして私たちはプールに金魚を、』2017)には素晴らしいショットが詰まっています。その中でも携帯を空中に投げると、電話が宙を回りながら地上に落ちて来るという演出があったのです。それで、『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』でも同じ事をやりたいと思いましたね。本作の予告編にも同様に子供が石を空中に投げて、頭に落ちてくるという場面があるのですが、そこに引用させて頂きました。

映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は2020年10月9日(金)より新宿シネマカリテ、シネクイントほか全国ロードショー。

Writer

Minami
Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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