なぜ『デッドプール2』監督は『ジュラシック・ワールド/復活の大地』を辞退したのか? ─ 映画づくりへの信条を語る

『ジュラシック』シリーズ最新作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(2025)は、『GODZILLA ゴジラ』(2014)『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)や『ザ・クリエイター/創造者』(2023)などのギャレス・エドワーズ監督によって映画化された。興行収入は世界累計で8.4億ドル超。2億ドル前後とされる製作費に対して堅調な利益をもたらした。
同作はエドワーズ以前に別の監督の元にオファーが持ち込まれている。『デッドプール2』(2018)や『ブレット・トレイン』(2022)でアグレッシブなアクションを仕掛けた、スタントマン出身のデヴィッド・リーチだ。もともとこの映画は、アメリカでの公開日決定アナウンスと同時に、リーチとの契約交渉が報じられていた。
しかし、それからわずか数日後にリーチとの交渉は決裂。ビジョンの違いを理由とする友好的な打ち切りと伝えられていた。それから10日ほどでエドワーズとの交渉が伝えられ、映画はそこからわずか1年半で世界公開へと進んだ。
先に辞退していたリーチは、自身の妻で映画プロデューサーのケリー・マコーミックと共にThe Hollywood Reporterのインタビューに登場。世界最大の映画シリーズである『ジュラシック・ワールド』新作を断った理由について、マコーミックは次のように語っている。
「IPやシリーズものに飛び込むのなら、適切なタイミングで、適切な理由に基づいて、適切なものを選ぶ必要があります。私たちは、『ジュラシック』という素晴らしいシリーズに非常に惹かれていました。
しかし、オリジナル映画を作ることは、どんどん難しくなっています。そこで私たちは、“オリジナル映画がなくなっていくのなら、できるだけ早く、できるだけ多くのオリジナル映画を作ってみよう”と感じたのです。」
リーチも「スタジオが支援してくれて、資金も提供してくれるような、好みのオリジナルの機会があれば、これからもプッシュし続けたいと思います」と補足。既存の巨大IPよりも、オリジナル映画の製作を優先したい意向を語った。
2人は、独自シリーズである『Mr.ノーバディ2』を送り出したところであり(日本公開は10月24日)、その後も多数のオリジナル企画を控えている。デヴィッド・ハーバー主演の『バイオレント・ナイト2』もまもなく撮影開始になるということだ。
「今は、これまでよりもゴーサインが出にくくなっています」とマコーミックは企画進行の難しさを話している。「でも、私たちは今年の残りと来年の2年で7本の映画を製作予定です。これはかなり良いペースです。引き続き、とても楽しくて大胆な作品を見つけていきたいと思います」。
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