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『リコリス・ピザ』レオナルド・ディカプリオの父が出演、まさかの事実に監督も驚き

リコリス・ピザ
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世界三大映画祭であるカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの全てで監督賞受賞という伝説を作った天才監督、ポール・トーマス・アンダーソン。監督最新作『リコリス・ピザ』には、主演に新人俳優のアラナ・ハイムとクーパー・ホフマン、その脇を固める俳優陣にブラッドリー・クーパーやショーン・ペンがキャスティングされたほか、レオナルド・ディカプリオの実の父親、ジョージ・ディカプリオが意外な役として登場する。果たして、そのキャスティングの経緯とは?

この記事には、『リコリス・ピザ』のゆるやかなネタバレが含まれています。

アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされた『リコリス・ピザ』。1970年代の米サンフェルナンド・バレーで、アラナ(アラナ・ハイム)とゲイリー(クーパー・ホフマン)が偶然出会い、すれ違い、歩み寄っていく恋模様がみずみずしく描き出される。

元々はパフォーマンス・アーティストだったジョージ・ディカプリオは、作家や編集者などでも活躍する芸術家。このポール・トーマス・アンダーソン監督が放った青春映画が、カメラの前での初演技となった。『リコリス・ピザ』でスクリーンデビューしたジョージが演じたのは、“ウォーターベッドを販売している風変わりな男”だ。このキャラクターとして、演技未経験であるジョージはそもそもなぜキャスティングされたのだろうか。

2021年12月、The New York Timesの記者であるカイル・ブキャナンが、Twitterにてアンダーソン監督との取材内容を公開しており、そこでジョージのキャスティングについて以下のように監督が説明している

「ウィッグ屋を運営していて、ウォーターベッドを販売する人の絵をまず作成したんです。ただ、それでもピンとくる方がいませんでした。“これに似ている人はいないかな”と考えていたときに、突然と思い出したことがあったんです。“レオの父親がそっくり”だということに。それで彼について調べて、映画への出演を依頼してみたところ、“いいですよ”と快諾してくれたんです。シナリオについても説明すると、“それはいいですね”と言ってくれたんですよ。」

快く役を引き受けたジョージだが、アンダーソン監督いわく、キャラクターについて本人に説明したところ、「レオからウォーターベッド会社を私が経営していたことを聞いたんですか?フォギー・ボトムっていうんですけど」と返されたそう。まさかのジョージはイメージしたビジュアルに似ているだけでなく、ウォーターベッド会社を実際に経営していたというのだから、アンダーソン監督も驚きを隠せなかったようだ。そこでアンダーソン監督は、「あなたこそがこの役にふさわしい方です」と返したという。こうして、偶然が導いた完璧な配役が生まれたというわけである。

『リコリス・ピザ』は公開中。

Source: Kyle Buchanan

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。