「ルーク・ケイジ」亡き俳優への追悼メッセージが米ディズニープラス移管後に削除、クリエイターが遺憾の意

「Marvel ルーク・ケイジ」(2016-2018)を手掛けたチェオ・ホダリ・コーカーが、Netflixでの配信終了後に同シリーズの移管先となったディズニープラスのとある対応を受けて、遺憾の意を示している。
「Marvel デアデビル」(2015-2018)をはじめとするNetflix製作のマーベルドラマ計6作は、2022年2月末をもって同ストリーミングサービス上での配信契約が終了した。本国アメリカでは、6作品の権利を所有することになったディズニー社のストリーミングサービス、ディズニープラス(Disney+)が移管先となり、配信開始となっている。
米ディズニープラスに移管されるにあたり、暴力描写などが検閲された修正バージョンが配信される可能性も懸念されていたが、米ウェブサイトBounding into Comicsは「Marvel ルーク・ケイジ」で発見された“変化”をさっそく報告。シーズン2の最終話で表示された出演者の故レグ・E・キャシーへの追悼クレジットが削除されているというのだ。
この知らせに、「Marvel ルーク・ケイジ」で脚本・製作総指揮を務めたチェオ・ホダリ・コーカーが自身のTwitterで反応。以下のように心境を綴った。
「えっと、なぜこういうことをしてしまうのでしょうか。レグ・E・キャシーは、シーズン2の心の拠り所の一部でした。彼が亡くなられたというその理由だけで、あのシーズンを彼に捧げなければいけないとは感じませんでした。彼を愛し、彼こそが人を鼓舞する源だったから、そうしたのです。」
I mean, why do this? Reg E Cathey was part of the heart and soul of Season Two. We didn’t feel obligated to dedicate the season to him just because he died — we felt obligated because we loved him and he was a galvanizing force. https://t.co/KF87ffQldH via @BoundingComics
— Cheo Hodari Coker (@cheo_coker) April 4, 2022
レグ・E・キャシーは、シーズン2から登場した主人公ルーク・ケイジの父親、ジェームズ・ルーカス牧師を演じたことで知られる。キャシーは、シーズン2が配信開始される4ヶ月前、2018年2月に59歳の若さでこの世を去った。追悼クレジットは、特にフィルムメーカーにとって思い入れが深い演出であるはずだが、米ディズニープラス上で削除された理由は分かっていない。なお報道によれば、「Marvel パニッシャー」(2017-2019)でも同様の事例が見られ、2018年に逝去したスタン・リーへの追悼クレジットが削除されているという。
ちなみに、コーカーは「Marvel ルーク・ケイジ」がディズニープラスに移管される前に、作品がディズニー側によって自由に手を加えられてしまうことへの懸念をTwitterで伝えていた。この時、コーカーは切なる願いとしてこう綴っている。
「私はこう願います。より簡単であろうリブートが作れるように(『ルーク・ケイジ』を)しばらく棚にしまったり、編集し直して再放送したり、Nワードを省いてしまったりをすることがないことを。」
Source: Bounding into Comics