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【もう一度『LOGAN/ローガン』を観るために③】ヒュー・ジャックマン&ジェームズ・マンゴールド監督、ウルヴァリンの「黄色いスーツ」を語る

映画『LOGAN/ローガン』をよりディープに楽しむための特集記事「もう一度『LOGAN/ローガン』を観るために」。第三回は少しだけ趣向を変えて、長年『X-MEN』シリーズを追いかけてきたファンにとって大きな関心事だったウルヴァリンの「黄色いスーツ」の話題をご紹介しよう。

【注意】

この記事には、映画『LOGAN/ローガン』のネタバレが含まれています。

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17年間実現しなかった「黄色いスーツ」

『LOGAN/ローガン』は、予告編からもわかるように、これまでの映画版『X-MEN』とは明らかにトーンの異なる作品だ。「したがって」というべきだろうか、2000年の『X-MEN』以来、多くのコミック・ファンが熱望しただろう「ヒュー・ジャックマンがウルヴァリンのスーツを着る姿」はついに実現しなかったのである。ところが製作陣は、これまでにもジャックマンにスーツを着せる機会をうかがってきたようだ。では、なぜジャックマンはスーツを着ることができなかったのだろう?

ジャックマンは、前作『ウルヴァリン: SAMURAI』(2013年)での挑戦に言及しつつ、「黄色いスーツ」についてこう語っている。

「うまくやる方法がわからなかったものがいくつかあったんだよ。ファンのみんなは、いつも“いつになったら青と黄色のスパンデックス・スーツを見られるんですか? その場面を見せて!”って言ってくれていた。だから僕たちは『ウルヴァリン: SAMURAI』でちょっとやってみようとして、結局やらなかったんだ……ラストに飛行機でボックスを開けると、そこにスーツが入ってるんだけど、その場面はカットされたよ。スーツはやり方がわからなかったものの一つだね。もし誰かうまくできるなら、やってみてほしいよ」

ここでジャックマンが話している場面は、『ウルヴァリン: SAMURAI』のDVD/Blu-rayに「もう一つのエンディング」として収録されているので、観たことのない人はぜひチェックしてほしい。

さて、このようにジャックマンはウルヴァリンのスーツを着ることにポジティブな姿勢を見せているのだが、少なくとも『LOGAN/ローガン』の場合、そうではなかったと思しき人物がいる。監督を務めたジェームズ・マンゴールドだ。なぜ彼は本作にウルヴァリンのスーツを登場させなかったのか……。

「(黄色いスーツを)待ち望んでいるファンがたくさんいることは常に感じてるよ」

こう前置きしてから、マンゴールドは自身の“ウルヴァリン像”をこう説明している。

「私が脚本家としても無視できなかった最大の壁は――批判されることも厭わないが――すべてのヒーローのうち、ローガンが最もナルシスティックでないということなんだ。考えうるかぎり、マーベルやDCコミックス、その他も含めてね。つまり、良い行いをする際に誰が特別なブランドのスーツを着るのか? なぜ着るのか? ということだ。そんなことをする理由は、トレードマークを主張し、自分の行いを認めてもらう以外にはない。明るい黄色のスーツを着て、自分の善行をいばり歩き、“マジかよ!ウルヴァリンだ!”なんて言われたい、そんな欲望ほどウルヴァリンらしからぬものはないと思うんだよ。少なくとも私が考えるに、ウルヴァリンは自分自身と戦っているし、ずっとそうしてきたはずだ」

またマンゴールド監督は、ウルヴァリンの「黄色いスーツ」について自身の感想をこのように語ってもいる。

「もしヒューにああいったスーツを着せても、みんなハッピーにはならないんじゃないか、ってなんとなく思ったんだ。本来は(コミックの)ページの上で生きているもので、ほかの場所で生かせるかどうかはわからないしね」

こうした言葉からは、監督たちがローガン/ウルヴァリンというコミックのキャラクターを「ひとりの登場人物」として極限まで問い直し、「スーパーヒーローはスーツを着るもの」といった発想ごと疑っていたことがわかる。コミックのファンにとっては複雑な部分もあるかもしれないが、逆にいえば、これこそ監督が“コミックの実写化”に対して抱いた緊張感ではないだろうか。そして、そうした思考がなければ、絶対に『LOGAN/ローガン』という作品は誕生しえなかったはずである。

映画『LOGAN/ローガン』は2017年6月1日より公開中

Sources: http://collider.com/logan-sabretooth-scene-hugh-jackman/
http://screenrant.com/logan-wolverine-yellow-costume-explaned/
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/Wolverine-Enemy-Ultimate-Collection-2003-2009-ebook/dp/B00ARKCS76/

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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