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【ネタバレ考察】「ロキ」シーズン2最終話で征服者カーンはどうなった?ジョナサン・メジャース逮捕で今後は

ロキ
(C)2021 Marvel

この記事には、「ロキ」シーズン2第6話『大いなる目的』のネタバレが含まれています。

ロキ
© 2023 MARVEL.

「ロキ」シーズン2最終話 ロキが「在り続ける者」を超えてしまった?

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)「ロキ」シーズン1最終話『とわに時を いつでも』でジョナサン・メジャースは、ただ一人“時の終わり”に君臨し、過去・現在・未来の全てを知る黒幕“在り続ける者”として初登場。無数の多元宇宙に存在する自分自身の邪悪な変異体が戦争を起こしたため、時間軸をひとつの“神聖時間軸”に絞って管理しているという役目だった。

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劇中で“在り続ける者”はこの役目に疲弊しているといい、ロキとシルヴィを後継者に指名。しかし、TVAに強い恨みを持つシルヴィに刺殺され、それによって時間軸の制御がなくなって“マルチバース”が発生した。

ロキ
(C)2021 Marvel

『とわに時を いつでも』で在り続ける者は、すべての未来を知っているわけではないと話しており、ロキ&シルヴィの会話の中で“境界線”を超え、そこから先に起こることは自分にもわからないとした。彼はシーズン2最終話『大いなる目的』でロキが数多の時を超えてこの瞬間をやり直し続けていることを悟っていたが、その後の出来事が“境界線”を超えた先のものだったかはわからない。あるいは、“境界線”についても彼の嘘だったのかもしれない。少なくとも、シルヴィに刺殺を許したのは策の内であり、ロキが時間移動を繰り返しているのは自分が敷いた道だという。

しかし、ロキが時間を止める術を会得していたことに驚く様子は見せた。また、ロキの「なぜ思うんだ?この話をするのは今が初めてだと」というセリフからも、このシーンはすでに在り続ける者の想定外だった可能性がある。ロキは、なんでもお見通しだった在り続ける者を超えたのだ。

その後ロキは“方程式”、つまり自らの運命を変える。時間織り機を破壊し、自らが時間を束ねる存在となると、ロキ自身が“在り続ける者”と化した。このことがMCUにどのような影響をもたらすかは、今後の作品内での描写を待つ必要があるが、一見すると、ロキが在り続ける者の後継者を正式に引き継いだように捉えられる。

ロキが時の管理者となった後、TVAではメビウスとB-15が、「在り続けるものの変異体の一人が616周辺で騒ぎを起こしたが、片付いた」と話している。616とはMCUの神聖時間軸(アース616)のことで、これは『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の量子世界での征服者カーンとの戦いのことを指している可能性がある。

アントマン&ワスプ:クアントマニア
© 2022 MARVEL.

また、メビウスがB-15に辞職を告げるシーンで撤去予定が明らかになった壁画にも、まだ征服者カーンの描写が残っている。本シリーズで描かれたTVA独自の時間ルールでは、過去の出来事が変わると現在にも変更が加わる『バック・トゥ・ザ・フューチャー』式だ。つまりロキが“在り続ける者”の座に就いた後もカーンは存在しているということ。一方でヴィクター・タイムリーの幼少期に「TVAハンドブックが届けられない」ことを示唆するシーンも挿入されており、これは少なくともヴィクター個人の人生に重大な変化を及ぼすことになるだろう。

征服者カーンはドクター・ドゥームに交代されるか?

このエピソードが配信されるより前、ジョナサン・メジャースが演じるラスボスとしての征服者カーンが、今後ドクター・ドゥームに置換されるのではないかとの情報があった。メジャース逮捕を受けてスタジオ幹部らが評議したというものだ。また、『クアントマニア』の興行不振を受け、「メジャースの訴訟問題の結果にかかわらず、マーベルはメジャース主導のフェイズから離れることも検討した」というスタジオ関係者の話もある。

「ロキ」シーズン2最終話の内容が明らかになると、これらの情報はいくらか説得力を増した。征服者カーンよりも、“大いなる目的”を得た最終話のロキの方が、よっぽど偉大で強大な存在に見えるからだ。

ロキ
© 2023 MARVEL.

もしもロキ自身が時間織り機のような存在となったならば、彼は任意の分岐時間軸を、指先ひとつで活かしたり殺したりすることができるのだろうか?あるいは配列を変えたり、行き着く先を調整したりすることができるのだろうか?そんな存在が過去・現在・未来を文字通り握っていると知らず、征服者カーンとその変異体に何ができるというのだろうか?

このドラマを経てロキは人として大いに成長し、今や卓越した科学者並みの知識を得て、さらに悠久の時の過酷さにも耐えた超越的存在となったが、それでも彼はもともと“悪戯の神”であるという背景は覚えておいても良いだろう。時の流れの中に在り続ける者の変異体、つまり征服者カーンを見つけた時、ロキがどんなことをするかは誰にもわからないのだ。

ロキ
© 2023 MARVEL.

深読みをすれば、マーベル・スタジオはジョナサン・メジャースを起用できなくなった場合、またはカーンを手放したくなった場合に備えて、プランBの構築に成功した。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』で張った伏線が無駄となるが、「ロキ」にカーンの存在感を矮小化させ、そのままお役御免にしようとしているとしたら……?

「ロキ」シーズン2の物語は当初の予定通りのはずだが……

ここで強調しておきたいのは、マーベル・スタジオはメジャースの騒動を受けてから「ロキ」シーズン2に変更を加えているわけではないということだ。撮影は2022年6月から10月に行われており、メジャースの一件は2023年3月の出来事。おまけに「ロキ」は追加撮影もされていないというし、5月から脚本家ストライキが始まっているので、手直しできる余裕もなかったはずである。つまり、ドラマがあのような結末となったのはもともと既定路線。本記事で考えているのは、いみじくも「どちらにも転がっていける」内容になった、ということである。

本当に征服者カーンの立場を変更するのなら、2026年に予定されているクロスオーバー大作『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ』のタイトルも変更になるだろう。マーベル・スタジオは最近も『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(原題)』「アガサ:ダークホールド・ダイアリーズ」でタイトル変更を繰り返しているから、これは驚くことではない。逆に言えば、『ザ・カーン・ダイナスティ』のタイトルが“在り続ける”限り、カーンの立場は安全だということではないだろうか。

アベンジャーズ:カーン・ダイナスティ(原題)
(c) 2022 Marvel

現時点でマーベル・スタジオ/ディズニーによるジョナサン・メジャースへの処遇は不明で、まずは11月下旬の公判を待つ必要がある。幸か不幸か、ストライキの影響でMCU作品の多くは公開延期となっており、2024年の劇場公開作は『デッドプール3』だけ。カーンが関わってくる可能性がありそうなのは、かろうじて2024年後半のドラマ「アガサ:ダークホールド・ダイアリーズ(原題)」くらいだろう。もしもメジャースの裁判が良くない方向に進んでしまった場合、スタジオには調整の時間がある程度与えられているわけである。

しかし視聴者の多くが認識するように、メジャースの演技力は一級品。このまま萎ませるのはあまりにも残念だ。

在り続ける者は言うだろう。「選択肢は二つだ」。カーンを退場させ、新たなラスボスを迎えるか、もしくは既定のシナリオのまま、守れるものを守り抜くか。輪廻転生だ、ベイビー。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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