「ロード・オブ・ザ・リング」新ドラマ、映画版とは「張り合うつもりはない」 ─ 独自のクオリティ追求を目指す

2022年9月に帰還を果たす『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ新章「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」はAmazon Studiosによるオリジナルドラマとなる。もっとも、2000年代のファンタジーブームを生み出したピーター・ジャクソン版『ロード・オブ・ザ・リング』トリロジーと比較されることは免れないだろう。
本シリーズでショーランナーを務めるパトリック・マッケイは、ピーター・ジャクソン版について「『ロード・オブ・ザ・リング』の映像化に取り組もうとする人なら、ほとんどの点で驚くほど(原作に)忠実だったと考えるはず」と英Empireに語っている。『ロード・オブ・ザ・リング』トリロジーは、中つ国第三紀の物語を描いたJ・R・R・トールキンの原作小説『指輪物語』を映像化したもの。一部脚色されたストーリーラインもあったが、パトリックが言うように正確な原作描写が印象的だった。
その一方で「私たちは遠いところにいる崇拝者というだけです」とマッケイが語ってもいるように、「力の指輪」は中つ国第二紀の物語で、ジャクソン版とはストーリーが大きく重なるというわけではない。マッケイは「『力の指輪』では彼(ジャクソン)と張り合うつもりはないです」と明言し、あくまで独自のクオリティを目指していく意向を語っている。
「力の指輪」配信開始の約2週間前には、同じく一世を風靡したファンタジー「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)の新章「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン(原題)」が一足早くアメリカでリリースされる。以前、「ゲーム・オブ・スローンズ」原作者のジョージ・R・R ・マーティンは「もしあっちがエミー賞で6つとったら、こっちは7つとりたい」と「力の指輪」をライバル視していたが、マッケイはどのような姿勢でいるのだろうか。
「他のライバル作品たちの中には、一つのオクターブをきれいに奏でているものもあります。でもトールキンはピアノで全音階を奏でていました。彼は、多彩な音色を持っていました。風変わりな考えや友情、ユーモアもそうですし ──これは『ハリー・ポッター』が愛される理由でもありますが──、知的教養や政治、歴史、神話、奥深さといったものもある。私たちにとっては、他の仲間たちがやっていることを心配するよりも、自分たちがやっていることを深く掘り下げていくことが重要でした。」
かく語るマッケイは、本シリーズでは「原作に立ち戻ること」を意識したそう。「“トールキン”なら何をするだろうか”と考えました」と着想のポイントを語ってもいる。徹底した原作研究は、出演者のベンジャミン・ウォーカーも撮影中に実感していたこと。さらに製作陣は、トールキンが長年取り組んできた巨大な神話群・伝説体系として知られるレジェンダリウムの調査にも精を出したというから、再現度のクオリティには期待ができそうだ。
「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」は、2022年9月2日(金)よりPrime Videoにて独占配信予定。
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Source: Empire