『ロード・オブ・ザ・リング』ピーター・ジャクソン監督、ドラマ版には一切関与せず ─ 製作陣、契約上の都合で断念

ドラマ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」に、映画『ロード・オブ・ザ・リング』3部作を手がけたピーター・ジャクソン監督が関与していないことが正式に判明した。米The Hollywood Reporterにてジャクソン自身が認めている。
J・R・R・トールキン著『指輪物語』に基づく本作の舞台は、『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』シリーズから数千年前に遡る“中つ国”の第二紀。米Amazon Studios製作のもと、映画版3部作とは直接的な関わりをもたずに、知られざる冥王サウロンの台頭や指輪創造の物語が紐解かれるという。
本作の企画が発表された2018年6~7月の時点では、製作陣がジャクソン監督の参加を視野に入れて話し合いに入っていると報じられた。当時、ジャクソンは「まったく関わっていない」と述べつつ、ドラマの製作チーム編成に関わっていると明かしていたのである。その後の状況は不明だったが、今回の発言によると、やはりジャクソンは本作に一切関与していないという。
「(ドラマに)関わりたいかどうかという話があって、そのときに“脚本を読まないとお答えできません”とお伝えしたんです。そうしたら、“最初の数話ぶんの脚本ができたらお送りします”と。だけど脚本は届かなかったし、それからは一度も話を聞いていません。」
すなわちドラマ版のチームはジャクソン監督に一度は打診したものの、その後、独自のチームで企画を継続することを決めたということだ。ジャクソンはこの決定について「まったく文句はありませんし、怒ってもいません」と述べている。「製作は本当に大変ですから、良いものができたらそれは祝福すべきこと。完全に中立的な視聴者として観られることを楽しみにしています」。
なお製作のAmazon Studiosは、ジャクソンのコメントについて「契約上の都合により、我々のシリーズを独立させ、映画版からは切り離すほかありませんでした。私たちはピーター・ジャクソンと映画版に最大限の敬意を払っており、彼が『力の指輪』を楽しみにしてくださっていることに感激しています」との声明を発表している。
報道によると、当初スタジオ側はジャクソンの関与に強い関心を抱いていたというが、声明の通り、契約上の都合で映画とドラマを独立することが決まったとのこと。また、ジャクソンの起用にこだわっていた幹部も2019年にスタジオを離れたほか、『指輪物語』の権利を管理するトールキン財団がジャクソンの関与に反対していた(原作者の息子であるクリストファー・トールキンは以前から映画版に批判的だった)こともわかっている。
「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」には巨額の製作費が投じられているが、ジャクソンは現在の映画業界では「(自分の3部作は)おそらく作れないでしょう。僕のような監督に、3部作の予算をぽんと出すようなスタジオはないと思う」と述べている。「今の映画業界に僕たちが与えたものがあったとしたら、それは巨大な戦闘シーンをCGで描く方法を切り開いたことでしょうね」。
ドラマ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」は、2022年9月2日よりPrime Videoにて独占配信予定。
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Source: The Hollywood Reporter