Menu
(0)

Search

『スター・ウォーズ』ジョージ・ルーカス、新3部作のアイデア却下に激怒していた ─ ルーカスフィルム買収後のエピソード、ディズニーCEOが明かす

ジョージ・ルーカス
Photo by James Santelli/Neon Tommy https://www.flickr.com/photos/neontommy/6339542462

スター・ウォーズ』の創造主ジョージ・ルーカスは、自ら執筆したエピソード7~9のアイデアをディズニーに却下された際に激怒していたという。ウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・アイガーCEOが、回顧録『The Ride of a Lifetime: Lessons Learned from 15 Years as CEO of the Walt Disney Company(原題)』の中で明かした。

ComicBook.comによると、アイガー氏は著書の中で、2012年にディズニーがルーカスフィルムを買収した際のエピソードを振り返っている。当時、ルーカスは『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)から連なる新3部作のアイデアを自ら執筆しており、アイガー氏を含むディズニーの幹部3人は、そのあらすじのコピーを受け取ったのだ。ウォルト・ディズニー・スタジオのアラン・ホルン会長と話し合い、アイガー氏はルーカスのアイデアを購入することを決定したという。

我々に、彼(ルーカス)のプロットに忠実である義務がないことは契約の中で明らかにしていました。私がクリエイティブのコントロール権を取ろうとしていたことは彼も分かっていましたが、それは簡単に受け入れられることではなかったと思います。彼は、私たちの要求に応じて監修に参加することには渋々同意してくださいました。我々が彼のアイデアにオープンであることをお約束したんです。[中略]けれども、あらすじと同様、私たちがそれに従う義務はありません。」

そして、“ディズニー/ルーカスフィルムが必ずしもジョージ・ルーカスに従う義務はない”という契約は早々に発動した。ルーカスのアイデアは却下され、新たなアイデアで新3部作を製作することが決められたのである。『フォースの覚醒』(2015)脚本家のマイケル・アーント、ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長、アイガー氏、ルーカスが新作のアイデアについて話し合いの場を持った際、ルーカスは「交渉の中で送ったストーリーが使われないことが分かると、たちまち怒り始めた」という。

ただしアイガー氏は、なぜルーカスのアイデアを見送ったのかを事細かに記している。ケネディ社長やホルン会長、『フォースの覚醒』監督のJ・J・エイブラムスと3部作の方向性を議論した結果、進むべき道はルーカスの計画したものではないと全員が同意したというのだ。もちろん、ルーカスは自分のアイデアが必ず使われる契約でないことを理解していた。しかしアイガー氏いわく、ルーカスは「ストーリーが買い取られたことは(アイデアが)使われるという暗黙の了解だと思っていた」といい、また「自分のストーリーが切り捨てられたことに落胆していた」という。

当時のアイガー氏は、ルーカスに誤解を与えないよう最善を尽くしたというが、今となっては「もっとうまくやれた」とも記している。「もっと準備しておくべきでした。このことを彼(ルーカス)に話しておくこともできたし、そうすれば彼を驚かせず、怒らせることもなかったかもしれません」。アイガー氏から見て、新3部作について初めて話した際のルーカスは「裏切られたように感じている」ように見えたという。

『フォースの覚醒』公開後、ルーカスは公の場で「僕は子どもを奴隷業者に売ってしまった」「彼らはレトロな映画を作りたかったんです。僕は好きじゃない」と発言。その背景には、ルーカスがアイデアを却下されるまでの、決して穏やかではない経緯があったのだ。その後、ルーカスは『最後のジェダイ』(2017)に絶賛を送ったのち、完結編となる『スカイウォーカーの夜明け』(2019年12月20日公開)ではJ・J・エイブラムスに助言を授けている。もっともアイガー氏の言葉に沿うなら、“ルーカスのアイデアに沿う必要はない”わけだが……。

ちなみにアイガー氏は、最近になって、近年の『スター・ウォーズ』戦略について反省の色を示している。たとえば『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)でディズニーが求めていたほどの成績を挙げられなかったことなどを踏まえ、米The New York Timesでは「市場に出すものが少々多すぎた、(ペースが)速すぎたのかもしれないと思っています」と語られているのである。

あわせて読みたい

Sources: ComicBook.com, The New York Times

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

ドゥーム・パトロール シーズン1

しくじりヒーロー奮闘記「ドゥーム・パトロール」、奇抜すぎる世界観ながら愛されるワケ ─ トラウマと向き合う者たち、DCドラマの新境地

スモール・アックス

ジョン・ボイエガ、レティーシャ・ライト出演、魂の人間ドラマ「スモール・アックス」 ─ 歴史を動かした「小さな斧」たちの闘志とは?

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密

【予告編考察】『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』鍵を握るキャラ、決戦の行方、秘密を徹底予想 ─ 『ハリポタ』との繋がりに迫る

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密

これを読めば『ファンタビ』最新作の準備は万端、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』を観る前にシリーズ前2作をおさらいしよう

ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ

【考察】『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』クレタスの独房の壁、スパイダーマンやモービウスを示唆?360度動画とブルーレイ映像特典から考える

「ザ・ネバーズ<シーズン1>パート1」

「ザ・ネバーズ<シーズン1>パート1」能力者バトルを描く『X-MEN』の系譜継いだSFアクション ─ HBOの新たな自信作、魅力を大解剖

ドゥーム・パトロール

【ご招待】DCドラマ「ドゥーム・パトロール 」THE RIVER独占オンライン試写会に100名様 ─ はみ出し者たちの新ヒーロー・チーム活躍のアクションドラマ、当選者には特別プレゼントも

ガンパウダー・ミルクシェイク

【レビュー】『ガンパウダー ・ミルクシェイク』両極端MIX、カッコよくてカワイくてヤバイが混ざった刺激的な一杯

Ranking

Daily

Weekly

Monthly