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『スター・ウォーズ』ルーカスフィルム、不当解雇で訴えられる

『スター・ウォーズ』のルーカスフィルムが、新作ドラマの製作から正当な理由なく解雇されたのは不当だとして、企画のプロデュースを務めるはずだった人物から訴訟された。米Deadlineが報じた。

問題の元となった企画は、ディズニープラス配信予定の新ドラマ「アコライト(原題:The Acolyte)」。原告のカリン・マッカーシーは2022年4月、この注目企画のプロデューサーとして起用された。当時マッカーシーは、コリン・ファレル主演のApple製作ドラマ「Sugar(原題)」から受けていたオファーを退けて、ルーカスフィルムとの仕事を選んでいた。このためにマッカーシーは、制作地イギリスに長期滞在するための準備も行っていた。

ところが、ルーカスフィルムとマッカーシーが「大まかな」合意を交わした2週間後、「説明もなく、正当な理由もなく、ルーカスフィルムはマッカーシーに契約を取りやめると伝えた」という。「アコライト」から解雇された時点で、Appleからのオファーも消滅しており、結果としてマッカーシーは本来得られるはずだった仕事のいずれもを失うこととなった。

マッカーシーは報酬を求めてルーカスフィルムに出向いたが、拒否されたという。「(1)ルーカスフィルム重要契約事項を含むオファーを出しており、(2)マッカーシーはそれを承諾し、(3)ルーカスフィルムはマッカーシーを直ちに仕事にかからせ、(4)マッカーシーが既に実作業に着手していることも記載した覚書を、ルーカスフィルムはマッカーシーに送付した」という事実があるにも関わらず、ルーカスフィルムは「契約を締結していない」と主張したという。

マッカーシーが既に仕事に取りかかっていたことを無視したルーカスフィルムは、最終的に1日あたり5,000ドルの報酬を支払うと提案した。マッカーシーはこれを侮辱的であるとして拒否。マッカーシーの実稼働分の報酬は支払われないままとなった。

これはルーカスフィルムによる契約違反、悪意ある契約であるとするマッカーシーは、ルーカスフィルムは仕事の報酬を支払わなかったことに対する法定罰則に処されるべきであると訴訟を起こした。マッカーシーの訴えによれば、本来はこのシリーズから数百万ドルを得ることができたはずだったという。あわせて、「アコライト」のクレジットに自身の名前を残すべきであるとも主張している。

近年、ルーカスフィルムでは『スター・ウォーズ』作品の制作中における降板劇や、発表した企画の頓挫を繰り返している。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)では撮影中に監督が降板し、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)でも当初起用されていた監督が企画開発中に降板。ほか、注目のクリエイターを起用した新企画を次々と発表したが、そのほとんどが中止や棚上げに追い込まれている。

この度の訴状が提出されたのは、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギによる新映画と、『ワンダーウーマン』シリーズのパティ・ジェンキンスによる新映画のふたつの企画が頓挫したと伝えられたのと奇しくも同日となった。

ルーカスフィルムは、業界最大手メディアであるDeadlineVatietyからの本件問い合わせに現時点で回答していない。

「アコライト」は、スカイウォーカー・サーガ以前のジェダイ黄金期、“ハイ・リパブリック”の最後の日々を描くミステリー・スリラー。直近では、ドラマ「デアデビル」などのアレックス・ガルシア・ロペスや、『アフター・ヤン』(2021)のコゴナダがエピソード監督に起用されたというニュースもあった企画だ。

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Source:Deadline,Vatiety

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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