18禁ハイジ『マッド・ハイジ』、勢い余って吹替版の上映が決まる ─ 配給会社が腹を括った

あの『アルプスの少女ハイジ』をバカグロ実写化したスイス初の18禁エクスプロイテーション映画『マッド・ハイジ』が、勢い余って吹替版も劇場公開されることになった。
元々は日本語字幕版のみの上映を予定していた。内田真礼(ハイジ)と久保ユリカ(クララ)による吹替版は、予告編映像のためだけに製作されていたものだったが、この予告編の評判があまりにもよろしいということで、吹替版も上映しちゃえということになった。
既に解禁されている予告編では内田真礼は、ハイジ役として「てめえの首をとる」「覚悟しろクソ野郎」とぶっ放している。内田のイメージとはギャップのある荒々しいセリフのミスマッチさが癖になり、映画本編での起用にたくさんの熱い要望の声が轟いていた。それを聞きつけた配給会社が腹をくくり、日本語吹替版の本編制作を決めた。
本編でも予告編同様、ハイジ役には内田、クララ役として久保ユリカを起用。内田と言えば『約束のネバーランド』『うる星やつら』など数々の人気作を担当。一方の久保も『ラブライブ!』『青春ブタ野郎シリーズ』など、数々のヒット作を担当している。ハルバードを振り回し、人を真っ二つに切り裂いたり、恋人のペーターと情事に耽るハイジや、チーズ中毒に陥ったり、マシンガンをぶっ放すようなクララをどう演じるのか、期待が高まる。
幾度となく映像化されてきたヨハンナ・シュピリの児童書『アルプスの少女ハイジ』。高畑勲と宮崎駿による1974年のTVアニメは、日本やヨーロッパを含む世界各地であらゆる世代を超えて愛され続けている。このスイスが誇る名作を、同国出身の監督とプロデューサーがB級エログロバイオレンスバージョンにアレンジした、〝スイス映画史上初のエクスプロイテーション映画”が誕生。
配給会社はR15になるよう修正を入れようと試みたが、過激なシーンが画面一杯に本編で随所に繰り広げられているために、修正を断念したという。世界19か国538人の映画ファンによるクラウドファンディングで、約2億9千万円もの資金集めも話題を呼んだ。アニメ版のおなじみのシーンの数々を再現するなど、日本へのリスペクトも随所に感じられる仕上がりとなっている。
映画『マッド・ハイジ』は2023年7月14日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー。