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『モアナと伝説の海』海上版『マッドマックス』シーン、オマージュの理由 ─ 監督「もっと大きな場面になる予定だった」

モアナと伝説の海
© LFI/Avalon 写真:ゼータ イメージ

ディズニー映画『モアナと伝説の海』(2016)には、カルト的人気を誇るジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)の影響を受けたシーンが登場する。しかし、ファミリー向けのディズニー映画で、なぜ作り手たちは『怒りのデス・ロード』を引用しようと考えたのか…?

本作は、海に選ばれ愛し愛されたひとりの少女モアナの成長を描くファンタジー・アドベンチャー。公開当時から、モアナの冒険を邪魔するココナッツの海賊「カカモラ」との戦闘シーンが、「海のマッドマックス」「海上のデス・ロード」などと話題を呼んでいた。まさかディズニーのアニメで、『怒りのデス・ロード』のような、アドレナリン全開の激しいアクションが繰り広げられることを、誰が想像しただろうか。

例えばカカモラが巨大な海賊船に乗って霧の中から登場するシーンは、車が砂漠の煙の中から相次いで押し寄せてくるシーンを彷彿とさせるもの。小さくてキュートな見た目とは裏腹に躊躇なく毒矢を放ち怒り狂うカカモラの姿や、トゲトゲの装備に身を包んだ船長らしきキャラクターは、まさに『怒りのデス・ロード』に登場した「V8!V8!V8!」と叫び狂う極悪非道のイモータン・ジョー率いる凶悪集団ウォーボーイズだ。また、カカモラが激しく鳴らす太鼓も、同作から着想を得ていると思われ、実に手に汗握るアクションシーンに仕上がっている。このシーンを見た日には、『マッドマックス』ファンなら「What a lovely day!」と叫ばずにはいられないだろう。

/Filmのインタビューで、ジョン・マスカー監督はジョージ・ミラー監督の熱狂的なファンだと述べつつ、「我々はとにかく大きなスケールで、激しいアクションを見せたいと思ったんです。こういった部分において、ジョージ・ミラー監督の右に出る者はいないと思うので」と語っていた。ストーリーボード(絵コンテ)を担当したのは、『アナと雪の女王』(2013)や『ズートピア』(2016)などにも参加しているジョン・リパだ。監督いわく、「ジョンは『怒りのデス・ロード』を見てから絵コンテを仕上げたのだと思います。我々はもちろん同作から影響を受けていますが、彼は敬意を表したかったのではないですかね」

ちなみに共同監督のロン・クレメンツによると、この『マッドマックス』にオマージュを捧げたシーンは「完成した映画以上に大きなシークエンスになる予定だった」そう。『マッドマックス』ファンとしては、さらに「ヒャッハー!」なバージョンも見てみたい…。

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Source: /Film

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。