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『マダム・ウェブ』エゼキエル対峙シーンは『ヒート』アル・パチーノ対デ・ニーロ参考 ─ 監督インタビュー

マダム・ウェブ
(C) & TM 2024 MARVEL

ソニー・ピクチャーズ『スパイダーマン』シリーズ最新作『マダム・ウェブ』が公開中だ。監督を手掛けたのは、マーベル・ドラマ「ジェシカ・ジョーンズ」も担当したS・J・クラークソン。本作が長編映画監督初となった。

THE RIVERでは、S・J・クラークソン監督に単独インタビュー。原作コミックでもあまり知られていないマイナーキャラだからこそ「解放的にやれた」と語る監督は、マイケル・マン監督の名作『ヒート』からの影響を取り入れたことなど、裏話を披露している。

『マダム・ウェブ』S・J・クラークソン監督 単独インタビュー

──マダム・ウェブは原作コミックでもすごく有名なキャラクターというわけではありません。彼女の映画を作ると聞いた時はどう思いましたか?

面白そうだと思いましたね。彼女は周縁にいるような、もっと言えば疎外されているようなキャラクターで、そうした小さなキャラクターを掘り下げ、調査して、彼女が何者かを考えていくのはとても面白いことでした。そして、マイナーキャラだからこそ、いろいろな意味で解放的にやれました。

──2003年が舞台ですが、いい意味で2000年代の映画やミュージックビデオのような雰囲気を感じました。何か参考にされた作品は?

2003年のことはよく覚えています。たくさん映画を観に行っていましたね。当時たくさん映画を観たことが、私の中に染み付いていたと思います。ただ、本作では多岐にわたるリサーチを行いました。例えば、ニコラス・ローブ監督の『赤い影』(1973)は、70年代の素晴らしいサイコスリラーだと思います。それから『ヒート』(1995) のアル・パチーノとロバート・デ・ニーロの対峙シーンも素晴らしい。ああいう感じで、本作のヴィランとヒロインを対面させたかったんです。たくさんのインスピレーションを得ました。

──2000年代の懐かしいヒット曲が流れるのも嬉しかったです。当時を感じさせる音楽について教えてださい。

90年代後期からそうですが、当時の音楽は素晴らしかったと思います。パーティーで流れていた曲をよく覚えています。本作にはビヨンセの「クレイジー・イン・ラブ」のポスターも登場しますが、すごかったですよね、当時はみんな聴いていた曲です。(音楽を通じて)当時の雰囲気を再現しようと思いました。もう20年前のことですね。恐ろしいことですが、もう20年も経った。そこには魂があったと思います。当時の楽曲を使って、この映画に息を吹き込みたかったのです。

──2000年代を舞台にしたということに重要性はあるのでしょうか?未来の彼女が再登場するということは?

その可能性はあると思います。彼女の透視能力があれば、答えも出るでしょう。

マダム・ウェブ
(C) & TM 2024 MARVEL

──ハリウッド大作映画の経験豊富なプロデューサー、ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラが初めてマーベル映画を手掛けました。彼からのアドバイスはどのようなものでしたか?

ロレンツィは素晴らしかったです。本作は私にとって初めての大作スタジオ映画だったので、この規模の映画に慣れていらっしゃるプロデューサーを求めていました。彼は『トランスフォーマー』をやっていますからね。それから、『マトリックス』という素晴らしい映画を手掛けたスタジオの重役でもあります。

彼は、落ち着きを与えてくれるような存在でした。どんなことが起こっても、「これは普通のことだよ」と。私が「どうしよう、やばいかも」と思うことでも、彼は「普通だよ」って。とても勇気づけられましたし、やれるんだという自信をくれました。それに、いろいろな意味でひとりにしてくださいました。「あなたならできる」と信じてくれていたからです。それでも、必要な時はいつだって電話で応えてくれました。

──『スパイダーマン』映画との共通点を見つけるのも面白かったです。例えばキャシーは、ベッドの下にバッグを隠していましたが、トビー・マグワイア版を思い出すようでした。

マダム・ウェブには残念ながら単独コミックシリーズが存在しないということは常に考えていました。将来は登場するかも知れません。私にも透視能力があれば、もっとお伝えできるんですけどね。でも、彼女がコミックの「The Amazing Spider-Man」内で誕生したという事実に敬意を表したかったんです。  

マダム・ウェブ
(C) & TM 2024 MARVEL

──初の長編映画ということで、最大のチャレンジはなんでしたか?

毎日、ビビリすぎないようにすることでした。その日その日を大事にして、常に登場人物や物語、ストーリーを大切にし、それを核にしながら、雑音に耳を傾けないようにしました。

──今後について、何か明かせることはありますか?

私の今後は……、本作を仕上げて、そのままこのプレスに突入したので、これから休暇を取って、それから透視能力を使って、今後どんな映画がやってくるかを見極めたいと思います。

──MCUドラマシリーズ「ジェシカ・ジョーンズ」での学びをどう活かした?

ジェシカをやれたのはとても幸運で、おかげで素晴らしい基礎が作れていたと思います。キャシーと同じように、彼女は少し擦れていて、社会から距離を置いているような人です。ジェシカ・ジョーンズを参考にすることができたのは本当に良かったです。

──素晴らしいキャストとの仕事はどうでしたか?遊びに出かけることはありましたか?

少しね!スケジュールが忙しく、バタバタだったので、一緒に遊びまくったというわけではないんですけど、現場ではみんなで楽しく過ごしましたよ。とても面白かった。みなさんがそれぞれキャラクターに素晴らしいものを持ち込んでくれたので、監督としてこれ以上の幸運はないですね。

映画『マダム・ウェブ』は公開中。

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Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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