マーベル・スタジオ社長、DC映画とは「対立していない」と明言 『ワンダーウーマン』の成功は「ものすごくハッピーだ」

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が、映画『スパイダーマン:ホームカミング』のプロモーションでDCコミックスやDCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)との関係について語った。映画情報サイト「AlloCine」がFacebookで実施したライブ配信にて、ファイギ社長はDC映画と「対立していない」という意思を明言したのである(該当部分は映像の23:30頃)。

対立関係は「マスコミに強調されている」

かつてコミック映画が現在ほど隆盛を誇っていない頃、映画作品や企業について「マーベル vs DC」という対立関係を持ち込んで語る声はさほど多くなかった。しかしマーベルが2008年にマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を開始して以降、もっといえばDCが2013年にDCEUを開始して以降は、ウォルト・ディズニー・カンパニーとワーナー・ブラザースを巻き込むような形で対立関係がしばしば煽られ、過激なファンや一部の作り手が互いを批判する事態も珍しくはなくなったのである。

「AlloCine」のインタビュアーに、「DCEU作品をどんなふうに捉えているんですか?」と尋ねられたファイギ社長は、少しだけ考えてこう答えている。

実際はそこまで対立していないんだよ。対立関係はマスコミに実際よりも強調されていると思う。ジェフ・ジョンズ(DCコミックスのチーフ・クリエイティブ・オフィサー。2016年5月以降、DCEUの重要人物でもある)は僕の大親友だしね。僕たちは業界で一緒に成長したし、最近もリチャード・ドナー(1978年『スーパーマン』監督)―ふたりとも彼と仕事したことがあるんだよ―を称えるイベントに出席したんだ。だからジョンズの成功は僕も称賛するし、彼の仕事をファンとして見ているよ。作品の出来が良かったり、高く評価されたりするのは僕らにとっても良いことだ。いつも応援してるよ」

ここでファイギ社長が述べた「リチャード・ドナーを称えるイベント」とは、2017年6月に映画芸術科学アカデミーが開催したドナー監督の功績を称えるイベントのことだ。その壇上でファイギ社長とジョンズ氏が肩を並べる映像はYouTubeで公開されている。

もっとも筆者が邪推するに、ファイギ社長の心境は、仕事や立場上その言葉の表面ほどシンプルなものではないだろう。それでもMCU作品にせよDCEU作品にせよ、映画が成功して多くの観客が映画館に集まれば、きっと業界はそのぶん盛り上がるのだ。その意味でマーベルとDCは「対立関係」ではなく「共闘関係」にある。

ちなみにジョンズ氏は、先日MCU作品『ブラックパンサー』の予告編が公開された折、Twitterにこんなコメントを寄せていた。

「信じられないよ。パンサーは僕がマーベルで書いたキャラクターの中で一番好きだったんだ」

そう、ジョンズ氏はDCコミックスにて活躍する以前、マーベル・コミックでもライターとして活動した経歴を持つ人物なのである。一方のファイギ社長は、同じく「AlloCine」のインタビューで『ワンダーウーマン』の成功をこう絶賛した。

「『ワンダーウーマン』の成功は素晴らしいよ。ものすごくハッピーだ。“観客は女性キャラクターを見たくない”なんてウソをようやく正せたんだからね。僕たちはそんなものは真実じゃないと信じてきた。10~15年前、さほど良くない映画が続いたことがそんな評判を呼んだのさ。ワンダーウーマンがそんなのを吹っ飛ばしてくれてうれしいよ」

これからマーベルとDCはどのような関係を結んでいくのか、そして一部のファンが待望するマーベルとDCのクロスオーバーはいつか実現するのか……。いずれにせよ現在のコミック・ファンは、マーベル、DC両社のあらゆるヒーローがスクリーンやテレビで活躍するのをひっきりなしに観られるという幸せな状況にある。これが一過性のバブルに終わることなく、業界全体がさらなる盛り上がりを見せて、多くのファンをできるだけ長く楽しませてくれることを心から願うばかりだ。

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Sources: http://www.screengeek.net/2017/06/13/kevin-feige-reveals-thoughts-wonder-woman-marvel-vs-dc-war/
http://comicbook.com/marvel/2017/06/10/dc-comics-geoff-johns-praises-black-panther-trailer/
Eyecatch Image: https://www.youtube.com/watch?v=PrNwMXcKxWE サムネイル

About the author

稲垣 貴俊(Takatoshi Inagaki)。THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくしてお伝えできればと思っております。

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