Netflix、マーベルドラマのさらなる拡張を示唆 ― 「スピンオフの話し合いは常に進んでいる」

「Marvel デアデビル」(2015-)に始まった、マーベル・テレビジョンとNetflixの共同製作によるドラマシリーズは、いまや破竹の勢いでその展開を進めている。始動から3年間で6つのシリーズが配信されているなか、Netflixはさらなる“拡張”を示唆した。
2018年7月29日(米国時間)に開催されたカンファレンス・イベント「Television Critics Association」にて、Netflixはプレゼンテーションを実施。米Deadlineによれば、オリジナル作品を統括するシンディ・ホランド氏は今後の展開についてこう述べたという。
「追加のキャラクターを、さらなる作品にスピンオフさせることについての話し合いは常に進んでいます。お知らせできることはないんですが。」
コミックの人気ヒーローを新シリーズとしてドラマ化するのか、あるいは既存の作品に登場するキャラクターのスピンオフ作品を制作するのか、この発言からその真意はつかめない。しかしムーンナイトやブレイドなどドラマ化が熱望されているヒーローは現時点で少なくないほか、「デアデビル」シーズン2から「Marvel パニッシャー」(2017-)が誕生した前例を考えれば、スピンオフを繰り返すことで世界観が拡張されていく可能性も十分にありうるだろう。
ただし留意しておかねばならないのは、ディズニーが2019年から新たな映像配信サービスをスタートさせることだ。このサービスでは、マーベル・コミックを原作とするオリジナル作品も製作・配信されることが明らかになっている。ただし2018年2月の報道によれば、このサービスではR指定相当の作品を取り扱わず、該当作品は米Huluにて配信されるとのこと。Netflixが現在製作・配信しているシリーズは今後もNetflixに残留することになるという。
現在、ディズニーが映像配信サービスを開始することで懸念があるとすれば、ディズニーが今後、マーベル・キャラクターの映像化権をライバルのNetflixに追加で引き渡すことがありうるかという点だ。場合によっては、Netflixは現時点で存在するキャラクターのみで世界観を拡張していかざるを得なくなるのである。
マーベル・スタジオとマーベル・テレビジョンが展開してきたマーベル・シネマティック・ユニバースは、それぞれの制作する映画作品とドラマ作品でひとつの世界観を共有していることが特徴だ。しかし、その設定が作品に大きな影響を与えることはほとんどなく、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)を経てもなおドラマの展開に影響は生じないとみられている。裏を返せば、ディズニーがNetflixのシリーズ群をユニバースから切り離しても大きな支障は出ないことになるのだが……今後も良い形で作品やキャラクターなどの棲み分けが行われていくことを切に願うばかりである。
Source: Deadline