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MCU『マーベルズ』は「こじれた3姉妹の物語」、キャプテン・マーベルとモニカ・ランボーの和解描く ─ 「奇抜でバカバカしい映画」と監督

マーベルズ
(c)2023 Marvel

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『マーベルズ』は、おなじみキャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァース、ミズ・マーベル/カマラ・カーン、そして「ワンダヴィジョン」(2021)モニカ・ランボーのチームアップ映画。監督のニア・ダコスタは、彼女たち3人を“3姉妹”にたとえている。しかし、どうやらその関係はややねじれているようで……。

Empireにて、ダコスタは「疎遠になった家族の歴史と、姉妹の物語を重ね合わせたら面白いだろうと思いました」と語る。「長女のキャロルは放蕩者で、次女のモニカは子どもの頃から彼女を知っている。しかし、キャロルは戻ってくると約束したのに、とうとう戻ってこなかったんです」

この背景にあるのは、単独映画『キャプテン・マーベル』(2019)の物語だ。モニカの母・マリアはキャロルにとって空軍時代の仲間であり親友。しかし、マリアが息を引き取ったとき、キャロルはそこにいなかった……。本作ではキャロル、カマラ、モニカがパワーを使うと、それぞれの身体がなぜか入れ替わる設定。ダコスタは「“入れ替わり”は最高ですよ。ただし私が大切にしたのは、彼女たち2人がいかに和解するかということです」

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キャロルが長女で、モニカが次女だとしたら、もちろん末っ子はカマラだ。キャプテン・マーベルの大ファンである彼女を、ダコスタは「姉と一緒に暮らしたことはないけれど、彼女を崇拝している」存在だと形容する。「映画の冒頭でキャロルは少々疲弊していますが、彼女の素晴らしさをカマラが思い出させてくれます」。

ドラマ「ミズ・マーベル」(2022)での活躍を経て、カマラはより巨大な戦いに挑むことになる。「いまや彼女は宇宙に飛び出し、とんでもない宇宙の皇帝たちと対峙することになります」とはダコスタの談。「しかし、カマラの良さは人々や家族に対する信念にあります。キャプテン・マーベルのそばにいて、まるで理解の及ばない状況に立たされてもなお、彼女は自分の強さを失わないのです」

思えばMCUにおいて、アベンジャーズやガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに代表されるように、“疑似家族”は長年貫かれてきたひとつのテーマだ。しかし、血縁関係にあったガモーラやネビュラとは異なり、女性同士の擬似的な家族関係はこれまであまり扱われてこなかった。“入れ替わり”という仕掛けを携えて、『キャンディマン』(2021)の新進気鋭ニア・ダコスタは彼女たちの関係をどう描くのか。

Total Filmにて、ダコスタは「従来のMCU映画との最大の違いは、(本作が)とても奇抜でバカバカしいこと。私たちが描いたのは、今までに皆さんが見てきた世界とは異なる世界。見たこともない明るい世界です」とも語っている。ちなみに現時点では真偽不明の噂にすぎないが、上映時間はMCU史上最短の100分未満ともささやかれているのだ。新たな才能を得て、MCUの知られざる可能性が再び開拓されることに期待しよう。

出演者はキャプテン・マーベル役のブリー・ラーソンをはじめ、ミズ・マーベル役のイマン・ヴェラーニ、モニカ・ランボー役のテヨナ・パリス、そしてニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソン。新たに「梨泰院クラス」(2020)のパク・ソジュン、『ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー』(2019)のゾウイ・アシュトンが登場する。

映画『マーベルズ』は2023年11月10日(金)日米同時公開。

Source: Empire, Total Film

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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