『マトリックス レザレクションズ』ブロックチェーンで「新たなマトリックス体験」提供 ─ アバターを購入し、赤いピル・青いピルを選べ

『マトリックス』シリーズの最新作『マトリックス レザレクションズ』の公開にあたり、米ワーナー・ブラザースが、NFT(Non-Fungible Token)を使用した“新たなマトリックス体験”を提供する。米The Hollywood Reporterが報じた。
NFTとは「非代替性トークン」という意味で、偽造不可能な唯一無二のデジタルデータのこと。デジタルデータは通常、複製・編集が容易なために高い資産価値は認められてこなかった。しかし、NFTは仮想通貨と同じくブロックチェーン上でデータを取引することにより、複製・編集を防ぎ、文字通り“他に代替できない”価値が与えられたもの。すでに数億円で取引されるデジタルアート作品も出てきており、さらなる発展に注目が集まっていた。
ワーナーはNFTの大手プラットフォーム「Nifty’s」と提携し、『マトリックス』のアバターを2021年11月30日(米国時間)より販売する。Nifty’sは10万ものアバターを用意し、ユーザーは50ドルで自分だけのアバターを手に入れることができるのだ。このアバターは『マトリックス』シリーズに登場するネオやトリニティといったキャラクターではなく、仮想現実であるマトリックスの世界に暮らしている人々をイメージしたものとなる。
その後、『マトリックス レザレクションズ』の公開に先駆けて、2021年12月16日には、アバターの購入者は“赤いピル”か“青いピル”の選択が可能になる。青いピルを選べば、購入したアバターをマトリックスの世界にとどめておくことができる。赤いピルを選べば、レジスタンスの一員として新たなチャレンジや選択に挑むことができる。その先ではアバターのアップデートや、新たなNFTを入手する機会も待っているということだ。
近年、ハリウッドはNFTへの進出をうかがっており、すでにワーナーは『スペース・ジャム』シリーズのデジタルグッズをNifty’sにて販売中。ライオンズゲートは10月末に『ソウ』シリーズのグッズを発売したばかり(同社は『ジョン・ウィック』シリーズなどでも同様の展開を企画)で、パラマウント・ピクチャーズを擁するViacomCBSも映画・テレビに基づくNFTの販売を計画している。FOXは「ザ・マスクド・シンガー」のNFT販売のほか、“ブロックチェーンで作られる史上初のアニメシリーズ”として「Krapopolis(原題)」の製作も発表した。
『マトリックス レザレクションズ』のNFT展開が新しいのは、その他の企画が作品のグッズやキャラクターを販売する形式であることに対し、もはや映画に登場しない、“マトリックスの世界に存在するキャラクター”を販売する点にある。ワーナーメディアの商品展開を担うパム・リフォード氏は、NFTとワーナー作品には長期的な親和性がありうると述べ、特に「『マトリックス』シリーズの設定やストーリー、人気の高さはNFTにぴったり」とコメントした。
また、Nifty’sのジェフ・マーシリオCEOは「デジタルのアイデンティティ、選択、アイデンティティの所有という我々のテーマは『マトリックス』シリーズに通じるもの。NFTアバターを使った既存の市民運動をメインストリームに押し上げるチャンス」との声明を発表し、NFT市場へのさらなる需要にも期待を寄せている。
そもそも『マトリックス』シリーズは、第1作が公開された1999年当時からインターネットを巻き込んだ斬新なプロモーションが話題を呼び、映画とインターネットの新たな関係性を提示した。今回の企画も非常に『マトリックス』らしいと言えるもので、ここから映画とNFTの新たな可能性が切り開かれることも十分に考えられる。今のうちから追いかけるべし。
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Source: The Hollywood Reporter