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【インタビュー】『マトリックス レザレクションズ』アナリストとは誰なのか ─ 演じる俳優が語る予告編のミスリード

マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

2021年12月17日(金)に公開を迎える『マトリックス レザレクションズ』には、謎の人物が多くいる中で、“アナリスト”と名前すら与えられていないキャラクターが登場する。THE RIVERは、そんなアナリストを演じるニール・パトリック・ハリスに単独インタビューを行う機会に恵まれた

ニール・パトリック・ハリスは、日本では90年代にNHKで放送された「天才少年ドギー・ハウザー」(1989-1993)で一躍名を馳せた俳優。その後も「ママと恋に落ちるまで」(2005-2014)や『ゴーン・ガール』(2014)など、継続的な活躍を見せている。最新作は2021年11月に米公開となったクリスマス映画『8-Bit Christmas(原題)』だが、 それ以前の映画出演は2017年の『ダウンサイズ』が最後。メジャースタジオの映画作品には久々のカムバックだ。

アナリストという謎だらけのキャラクターを演じるハリスには、何を聞けばいいやら……と正直なところ困惑したものだが、結果的にインタビューの中で、ハリスはヒントになりうる気になる発言をしている。

 マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

予告編は「マジックショーのよう」

── まずはオーディションの流れについて教えていただけますか?

ラナ(・ウォシャウスキー)監督とお話をして、お互いのことを知りながら進んでいきました。今に至るまでのキャリアを進んできたからなのでしょうが、人との会話の時間を大切にされているみたいでした。彼女のセンスは素晴らしいです。

オーディション会場も楽しかったです。そこにいた他のキャストの方々も興味津々な様子でした。この映画には「センス8」のキャストもたくさんいるんですよ。とにかく、皆んなが良い人でした。ラナとのプロセスでは、演技のようなものは一旦忘れて、自分らしくいること、彼女が話す物語に興味を持つことが大切でした。

── 映画はご覧になられましたか?(※取材時は2021年10月下旬)

実はまだ観られてないんです。他のキャストには観た方もいるとお聞きしているので、すごくもどかしいし、嫉妬しています。僕は、いまのところ都合がついていなくて。

 マトリックス レザレクションズ(ロングリード用)
©2021 WARNER BROS. ALL RIGHTS RESERVED

── まだ鑑賞されていないということですが、脚本で物語の流れを知った時は、どう思われましたか?

僕自身、1作目の大ファンってわけではなかったので、全ての要素に身を投じていました。とにかく、(『レザレクションズ』は)物語の伝え方の面で本当に革新的で、精神的、人間的、技術的なレベルで議論される深さもあります。アクションシーンは信じられないくらいすごいですし。

キャストは1つのグループみたいに少人数でした。キアヌ(・リーブス)とキャリー=アン(・モス)がトレーニングしたり、サンフランシスコの超高層ビルから飛び降りたりしている所を見られたのは最高だったな……。

── ファンは予告編の内容に混乱していますが、物語を理解するのに時間はかかりましたか?

脚本を読んだ時は、僕も混乱しました。こうした映画の予告編は意図して混乱させようとしているわけではないと思います。彼ら(製作陣)もあまりにたくさんのことをバラしたくないでしょうから。新しく蘇る『マトリックス』では何が語られるのか。このような期待の声は実際に劇場で体験し、興奮するものです。 

だから予告編は、マジックショーのようでしたね。そういうものでは、すぐに種明かししたくないでしょう?予告編を観た時は僕もティーンエイジャーになった気分で。見たところ良さそうですし、本編を観るのが待ちきれないんです……。(興奮しながら)あ〜、待ちきれない!あのシークエンス(ネオとアナリストの会話)について誰かが話しているのを聞いたんですよ!今すぐにでも観なきゃって感じです。

キアヌ・リーブスは「本物の男」

マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ALL RIGHTS RESERVED

── あなたのキャラクターが一番謎です。ヴィランなのか、味方なのか……。

彼は、トーマス・アンダーソンのセラピストです。彼の仕事は、トーマスが現実について混乱した時や幻聴に苛まれた時に、変な行動に走らないように落ち着かせたり、適切な質問をしたりするんです。優秀なセラピストがそうしているように。

だから、僕はアクションシーンをそこまでやりませんでした。でもとにかく、予告編に映れたことはワクワクしています。だって、映っている通りの人物に見せかけられているんですから。本当のことが明かされたら、がっかりされてしまうかもですけど。僕はラナ・ウォシャウスキー監督の作品であればエキストラでも出たいと思っていたので、とにかく出られてすごくうれしいです。

──  その予告編で映るあなたのオフィスには、モーフィアスを思わせるモルフォ蝶、デ・ジャヴュを見せる黒猫など、過去作との繋がりに溢れています。こうしたディテールもヒントなのでしょうか?

それは興味深いですね。あのシーンの撮影はサンフランシスコで行ったんですけど、オフィスは流行の先端を行くようなセラピストのイメージに作られました。僕もベストを尽くして、サンフランシスコのバイブスを出せるように努力しました。

(ラナ監督から)指示されたのは、専門家のありきたりさや我慢強さ、好奇心の強さなどを出すことでしたね。それもあって、部屋にあるもの全てを、典型的な北西海岸のアメリカ人セラピストのオフィスを映し出すものとして捉えました。(質問にあるディテールのように)そこまでは深読みしませんでした。

──  キアヌ・リーブス演じるネオとの1対1の場面が見られますが、彼との共演はいかがでしたか?

彼はとにかく善人です。絶対に不満を言わないし、クルーの誰よりも一生懸命働いていました。セリフも肉体も素晴らしいくらいに準備していて。撮影と並行してリハーサルもやられていました。その上、現場では会話もしてくれて、お互いの私生活について話しました。超スーパースターのあのキアヌ・リーブスですよ。カメラが回っていない時に、スポーツとかバイクについて話せてすごく楽しかった。彼は相手に敬意を払える本物の男ですね。

『マトリックス レザレクションズ』は2021年12月17日(金)より全国公開。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。