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『ザ・バットマン』監督、『ダークナイト』クリストファー・ノーランの作家性に敬意 ― 新3部作構想も

ベン・アフレック主演、DCエクステンデッド・ユニバース作品ザ・バットマン(仮題)』を手がけるマット・リーヴス監督が、自身がクリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』3部作から受けた影響を語っている。

これまでリーヴス監督は、『ザ・バットマン』を「ヒッチコック風」「ノワール調探偵映画」にしたいと表現してきたが、その背景にはノーランが『ダークナイト』でやってのけた仕事への敬意があるようだ。新たな映画版「バットマン」で、リーヴス監督はヒッチコックとノーランという新旧の一大映画作家と対峙することになる……。

『ダークナイト』(2008)

ノーランが達成した「ジャンルの隠喩」

リーヴス監督は、ベン・アフレックが『ザ・バットマン』の監督から降板した後にプロジェクトに参加した人物だ。脚本はアフレックの下で一度はほぼ完成していたようだが、リーヴス監督の意向に基づいて全面的な見直しが行われているという。

「バットマン」というキャラクターが単独映画化されるのは、クリストファー・ノーランが手がけた『バットマン・ビギンズ』(2005)、『ダークナイト』(2008)、『ダークナイト ライジング』(2012)の3部作以来となる。ヒーロー映画ファン、アメコミファンのみならず映画ファンから絶大なる人気を獲得した同シリーズからは、リーヴス監督も非常に大きな影響を受けているようだ。米Yahoo! MOVIESの取材で、監督はノーランへの敬意をこのように話している。

「(ノーランが)このジャンルに持ち込んだものは本当に素晴らしいと思います。当時、スタジオ(ワーナー・ブラザース)は非常に“狭い”映画を作ることを厭わなかった。そこで私は、このジャンルにはさらなるポテンシャルがあると知ったんです。多くを表現するために、ジャンルの隠喩を使うことができるんだと」

リーヴス監督が「狭い映画」と形容し、「ジャンルの隠喩」と述べたのは、ノーランが『ダークナイト』3部作で「ヒーロー映画の形をとりながら、現代の問題や情勢、哲学などを作品に目一杯盛り込んだこと」を指しているだろう。リーヴス監督も『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(2014)、最新作『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』ではそうした「隠喩」を取り入れるよう心がけたという。

「両方のシリーズ(バットマン、『猿の惑星』)には、物語をよりエモーショナルに描けるだけの比喩があると思います。すごくエキサイティングですよ。子供の頃、両シリーズに魅了された私には興味深いんです。ファンタジーを装いながらも、まだ掘り下げられる大人向けの要素が潜んでいるなんてね」

『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(2014)

ハリウッドの大作映画で作家性を貫くこと

むろんノーランが『ダークナイト』3部作でやってのけたことは並大抵のものではない。なぜなら彼は、「バットマン」を隠れ蓑にしながら――そもそもこんな偉大なキャラクターを隠れ蓑にすること自体が途方もなく困難なのだが――ハリウッドの大作映画で自らの作家性を完全に貫いてしまったのだ。リーヴス監督が絶賛するのは、まさにその点なのである。

「私が本当に敬服するのは、(ノーランが)スタジオ製作の大作映画でそれをやったことです。製作委員会による映画づくりは、しばしば作品の一人称をなくしてしまうことがありますからね。(ノーランは)巨大なシステムの中にいる映画監督でありながら自らの視線を徹底しています。それが(『ダークナイト』3部作は)すごくエキサイティングでしたし、彼の作品にいつも興奮する理由なんですよ。
私も同じことをやろうとしてきたと思っていますし、この超巨大スタジオによる映画界で、自分の視線を貫くことを認めてもらおうと挑戦しています」

いよいよ製作が本格的に始動する『ザ・バットマン』で、リーヴス監督は自らのいかなる視線を「バットマン」の世界にどう織り込むのか……。映画情報サイト「ファンダンゴ」によると、すでに監督は自身の「バットマン」を3部作で描こうと構想しているという。

「アーク(複数の作品にまたがるストーリー)のアイデアがあるんです。でも実のところ、大切なのは始めることです…物語は始めなければいけないんですよ」

映画『ザ・バットマン』の製作はまだ始まったばかり。公開時期は未定だが、アフレックが演じてリーヴス監督が撮る、その新たな世界観には今から期待が高まる一方だ。

 

Sources: https://www.yahoo.com/movies/matt-reeves-teases-emotional-batman-story-pays-tribute-christopher-nolan-093839236.html
http://www.fandango.com/movie-news/could-matt-reeves-go-from-an-apes-trilogy-to-a-batman-trilogy-heres-what-he-says-752431
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/ダークナイト-DVD-クリスチャン-ベール/dp/B019FBELF4/

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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