『ミッション:インポッシブル3』ゼーン・リー役、トム・クルーズのリーダーぶりに感激 ─ 「プロとしての熱意が衰えない」

トム・クルーズは偉大なリーダーだ──。映画『ミッション:インポッシブル3』(2006)に女性エージェントのゼーン・リー役で出演したマギー・Qが、撮影現場におけるトムの振る舞いと配慮に感動したことを明かしている。
映画『ダイバージェント』シリーズのほか、ドラマ「NIKITA/ニキータ」(2010-2013)「サバイバー:宿命の大統領」(2016-2019)などで活躍するマギー・Qは、香港映画からキャリアを始動させ、『ラッシュアワー2』(2001)でハリウッドデビュー。本作のゼーン・リー役は、ハリウッド映画で初めて具体的な人物名のある役どころだった。
公開から15年後の2021年、米Colliderのインタビューにて、マギー・Qは「トムはリーダーでした。彼のような人があのポジションにいることには必ず理由があるんです」と振り返った。「プロフェッショナルとして、撮影現場で彼の熱意はまったく衰えないし、そんなところは見たことがありません。自分の仕事をこれほど愛し、周囲の人をこれだけ励ます人も見たことがないんです」。
自身の体験を踏まえてであろう、マギー・Qは「決してよくある話ではありません。“彼は世界屈指の映画スターだし、もちろん好きなことをしているよね”なんて思われるかもしれませんが、それは正しくないから」と笑いながら強調する。「自分の仕事を愛さず、仕事への愛情を表現せず、トムのように周りを勇気づけることもなければ、偉大なリーダーでもない大物スターもいます」。
マギー・Qは、『ミッション:インポッシブル3』のイタリアの撮影現場で体験したトムの“リーダーらしい”エピソードを明らかにしている。当時まだハリウッドで新人だった彼女は、契約上、ほんの小さなトレーラー(控え室)しか使えないはずだった。ところが当日現場に行くと、自身のトレーラーが見つからず、それどころか分不相応に大きなトレーラーを使うように薦められたというのだ。
「“ここがあなたのトレーラーですよ”と言われたんですが、私は“いや、何かの間違いです”と。そしたらトムのプロデュース・パートナーがやってきて、“トレーラーのことで混乱があったそうですが”と言われたんです。[中略]トムが昨日チェックにやってきて、問題ないか確かめていると。そして、私の契約していた(小さな)トレーラーを見て、“絶対にダメだ、全員と同じものにしてくれ”と言ったそうなんです。“彼女はこの映画の一員だから、撮影現場で自分が劣っているように感じてもらいたくない”と」
結果的に、マギー・Qは契約に含まれていなかったトレーラーを使用して撮影に参加することができた。「中に入ると階段があり、2階があり、暖炉があって……。“どういうこと?”と思いましたよ。彼は、全員の名前が書かれたコールシートで一番優先順位が低かった私を、自分も一員なのだと感じられるよう配慮してくださったんです」
興味深いのは、前作『ミッション:インポッシブル2』(2000)でトムの相手役を演じたタンディ・ニュートン(タンディウェ・ニュートン)が、マギー・Qとは異なるリアクションをしていることだ。いわく、トムとタンディはお互いにイライラしており、良い体験ができなかったというのだから。もっとも、タンディもトムが大きなプレッシャーを背負っていたことを強調していた。
ちなみにトム自身、『ミッション:インポッシブル2』からの6年には『バニラ・スカイ』(2001)や『マイノリティ・リポート』(2002)『ラスト サムライ』(2003)『コラテラル』(2004)『宇宙戦争』(2005)といった多彩な代表作に恵まれている。ともするとそれらの経験が、リーダーとしての振る舞いを磨きあげたのかもしれない。
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Source: Collider