『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』上腕二頭筋装填の相手役、アクションが激しすぎて付いていけず離脱していた

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)ハイライトのひとつに、トム・クルーズとヘンリー・カヴィルがトイレで激しすぎる格闘を繰り広げるシーンがある。
実はこのアクションシーンでトムとカヴィルが戦う相手は、当初は全く別の役者になる予定だったそうだ。これが変更になった理由とは……?
『フォールアウト』では、イーサン・ハントとオーガスト・ウォーカーが危険なプルトニウムの行方を追ってパリのナイトクラブに潜入する。プルトニウムを取引するジョン・ラークという人物をトイレまで付けた2人は、ラークを気絶させて、個室内で彼に変装するマスクを作成するはずだった。
しかし、男がすぐに目を覚ましたことで、3人は激しい肉弾戦にもつれ込む。ジョン・ラークなる男は相当に手強く、拳法でイーサンとウォーカーを圧倒する。
実はここでラーク役を演じた男性、当初は別の「有名男性俳優」を起用する予定だったのだという。しかし、その俳優はトムとカヴィルのアクションが激しすぎて付いていけないとわかったため、代わりにスタントマンのリャン・ヤンが出演することになったと、クリストファー・マッカリー監督が米The Hollywood Reporterで証言している。
当初予定されていた「有名男性俳優」の名は明かされていないが、その俳優が登場し、戦いの末に殺されるという展開は映画のサプライズになる予定だったという。「要求されるレベル(の高さ)を知って、辞退されたんです」とマッカリー監督は振り返る。
ブン殴ってはブン投げられ、竜闘虎争を見せたリャン・ヤンは、他にも『スター・ウォーズ』シリーズなど数々のハリウッド映画で活躍するスタントマン。『007 スカイフォール』(2012)ではジェームズ・ボンドも相手にしている。
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ここで有名俳優がカメオ登場して観客を驚かす予定だったということだが、リャン・ヤンたち3人のアクションの激しさこそ、純粋なサプライズだ。闘争本能むきだしのこのシーンで、ウォーカー役のヘンリー・カヴィルは太い両腕をブルンブルンと振る。この勇ましい動きは、海外では“バイセップ・リロード(Bicep Reload)”、日本では“上腕二頭筋装填”と呼ばれ、劇場公開時にファンの間で話題となった。これはリャン・ヤンのおかげによって、アクションのエクストリームさが当初の予定以上に押し上げられたことによる産物と言えるかもしれない。カヴィルはこのシーンの撮影での疲労について「毎晩家のベッドまで辿り着いて、そのまま泥のように寝てましたね。それくらい本気で疲れ切っていました」とTHE RIVERに話している。
しかし、ヤンはケロっとしていたらしい。当時カヴィルはInstagramで、このシーンの撮影後にヘトヘトになっていたところ「彼は落ち着いていて笑顔のままだった」「真のチャンピオン」と称えていた。
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Source:The Hollywood Reporter