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ビートルズのマネージャー描く伝記映画、撮影中に監督が降板へ ─ 製作陣は撮影継続を発表、現場に混乱か

Midas Man(ビートルズのマネージャー)
Photo by Parlophone Music Sweden https://commons.wikimedia.org/wiki/File:The_Beatles_magical_mystery_tour_(cropped).jpg

ザ・ビートルズのマネージャー、ブライアン・エプスタインを描く伝記映画『Midas Man(原題)』の撮影現場で重大なトラブルが起きている。監督のジョナス・アカーランドが撮影中にもかかわらず降板となる見込みで、撮影が一時中断されているというのだ。米DeadlineVarietyが報じている。

『Midas Man』の撮影は2021年10月中旬よりイングランド・リバプールにて実施されており、撮影開始から約2週間が経過していた。ところが、現時点でアカーランド監督は企画を一時離脱しており、復帰の可能性は低いとのこと。新たな監督の起用に向けて、製作陣は話し合いを始めているという。

降板するとみられるアカーランド監督は元バンドマンという経歴を持ち、ポール・マッカートニーやマドンナ、ビヨンセ、レディー・ガガ、テイラー・スウィフト、メタリカなどのミュージックビデオを手がけてきた。映画作品には『ポーラー 狙われた暗殺者』(2019)や『ロード・オブ・カオス』(2019、日2021)がある。

取材に対し、出資・製作を務めるStudioPOWは「ジョナス・アカーランド監督はお休みをいただいています。数点の問題が解決するまで、これ以上コメントできることはありません」との声明を発表した。報道によると、降板の理由は健康上の問題ではなく、別の仕事が本作と衝突したことに関係があるとのこと。監督降板に伴い、主要スタッフがともに企画を離れることも考えられるが、その影響がスタッフ全体に及ぶことはないとみられる。

リバプールでの撮影は今週から中断されているが、スタッフが監督の離脱を知らされたのは中断当日の11月5日だったという。その際、スタッフには「数ヶ月以内」の撮影再開を目指す旨が伝えられたというが、一部報道では「早ければ来週にも再開される見込み」と報じられている。一方、製作陣の公式声明には「クリスマス休暇まで、11月のロンドンでの撮影は継続いたします。その後は1月上旬、ロサンゼルスにて撮影を再開します」との文言が確認できる。現場の混乱ぶりは想像に難くないが、監督不在で撮影を強行するとは考えづらく、すぐに新監督が発表される可能性もありそうだ。

なお、本作には撮影開始時点からプロデューサーが少なくとも1人追加されていることも判明済み。プロデューサー側は映画完成までの予算を変更しない方針を明らかにしているため、今後は撮影の中断期間が長引くほど悪影響が大きくなる。出演者は「クイーンズ・ギャンビット」(2020)のジェイコブ・フォーチュン・ロイドをはじめ、エミリー・ワトソンやエディ・マーサン、ルーカス・ゲイジ、ロージー・デイ、ビル・ミルナーら。

ちなみに音楽映画・伝記映画からの監督降板といえば、クイーン&フレディ・マーキュリーを描いた『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)が記憶に新しい。同作では監督のブライアン・シンガーが20世紀フォックスに解雇され、後任者として『ロケットマン』(2019)のデクスター・フレッチャーが就任。タイトなスケジュールの中、本撮影の3分の1を手がけ、編集作業の一部に携わることで映画を完成させた。『Midas Day』も無事に再起動を図れるか。

ブライアン・エプスタインは、“5人目のビートルズ”とも言われるほど、ザ・ビートルズにとってはかけがえのない存在。1961年にエプスタインがマネージャーとして参加したのち、ザ・ビートルズは1962年にレコードデビューを果たし、のちに世界を席巻する伝説的バンドとなった。しかしながら、エプスタインは1967年に32歳の若さで逝去。死因はアスピリンの過剰摂取による事故死だったという。

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Sources: Deadline, Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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