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『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』監督、次回作への登板はありうる? ― 「ぐっすり昼寝する、考えるのはそれから」

ミッション:インポッシブル/フォールアウト
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

映画監督クリストファー・マッカリーは、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』で、トム・クルーズ主演の人気シリーズにふたつの革新をもたらした。ひとつはシリーズ史上初めてとなる二度目の監督登板。もうひとつは、前作『ローグ・ネイション』(2015)の内容を踏まえた、まさしく続編映画としてのストーリーテリングだ。意外にも『ミッション:インポッシブル』シリーズは、これまで作品ごとに独立したストーリーを展開し、それ以前の物語をほとんど引き継いでいなかったのである。

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』が大ヒットを記録し、シリーズ史上最高の評価を得ている今、映画ファンにとって一番気になることはひとつだろう。いずれ製作されるに違いない続編、シリーズ第7作にクリストファー監督は続投するのか、ということだ。

 ミッション:インポッシブル/フォールアウト
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

Empireのポッドキャストにて、クリストファー監督は次回作就任の可能性を語っている。

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「(編集を担当した)エディ・ハミルトンには、編集室で“いやいや、どう見ても3部作でしょ、あなたが終わらせないと”って毎日のように言われてました。僕は“それは別の誰かがやることだから”と。トム(・クルーズ)に言われても、スタジオに言われても、“えっと…アイデアはあるような…”と答えてましたね。そしたら作品のレビューが出て、“ウソだろ、やめてくれよ”って(笑)。」

本作は米国で試写が始まるやいなや、驚くべき高評価で映画ファンを驚かせた。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)と比較されるほどの熱量、そして複雑なストーリーは批評家の絶賛を受け、映画批評サイトRotten Tomatoesでは97%フレッシュ(2018年8月9日時点)を記録しているのである。しかし監督は、このとんでもない力作を作り終えた直後とあって、今はまだ次を考えられるような心持ちではないようだ。

「6作目の監督を引き受けて後悔したんですから、7作目はもっとひどい気分になるでしょうね。大作映画の撮影初日のプレッシャーと戦わなきゃいけなくなるよりは、病気になって隔離された方がマシだというか…戦うには(プレッシャーが)重すぎて。ぐっすり昼寝しないと…(次回作を)考えられるのはそれからです。」

 ミッション:インポッシブル/フォールアウト
くつろいでいるのか熱が入りすぎているのかわからないクリストファー・マッカリー監督(右) © 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

『007』シリーズで6代目ジェームズ・ボンドを務めているダニエル・クレイグは、『007 スペクター』(2015)の撮影終了後、「また今すぐにボンド役を演じるくらいなら手首を切る」と発言して話題を呼んだ。クリストファー監督の「隔離された方がマシ」発言は、それにも並ぶほどの言葉だといっていいかもしれない。大作映画を背負うという仕事は、それほどまでにハードなものなのだ……。

しかし注目すべきは、クリストファー監督が「アイデアはあるような」「(次回作を)考えられるのは昼寝してから」と、続投の可能性を完全には否定していないことである。しばらく休んだら、また次の構想を練り始めてくれるかもしれない?

ちなみに米The Hollywood Reporterのインタビューでは、クリストファー監督は『フォールアウト』就任までの経緯をこう明かしていた。

「『ローグ・ネイション』の制作中、歩きながらトムに次回作のアイデアを喋ったんです。そしたら彼はすぐにこっちを向いて、“要するに僕がソロモン・レーンを脱獄させるってこと? 任務に必要だから?”って。僕と彼はまったく同じことを考えてました。次はどんな映画にしようか、と。(当時は)次も一緒にやるとは思ってなかったので、何か話す時も自分の権利は主張しませんでした。作者のプライドがないんです。アイデアはトムが拾うか捨てるかで、僕は自分のアイデアにはこだわらない。僕にそれだけの価値があったら、もっと仕事することになりますから(笑)。
映画(『ローグ・ネイション』)が完成するまで、トムから“次も撮ってほしい”とは言われませんでした。でもいろんな理由で、(『フォールアウト』を)引き受けるのはすごくためらったんです。一本作り終えたばかりだったのもありますし――すごく大変でしたから――[中略]、シリーズのファンが毎回違う監督を期待するとわかっていたのも気がかりでした。トムにそう話したら、彼は“先例は破るためにある。僕はあなたに撮ってほしい”と言われて。だから“やる”と言ったんです。」

クリストファー監督が第7作を撮るか否か、決め手はやはりトム・クルーズにあるということか…!

映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は2018年8月3日(金)より全国の映画館にて公開中

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト:http://missionimpossible.jp/

Sources: Empire, THR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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