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都市伝説「Momoチャレンジ」ハリウッドでホラー映画化へ ─ 『リング』『呪怨』一瀬隆重氏、『IT/イット』プロデューサーが手がける

2018~2019年、インターネットを騒がせた都市伝説「Momoチャレンジ」がハリウッドでホラー映画化されることがわかった。米Deadlineが報じている。

本記事には、ご覧になる方によってはショッキングな画像が含まれています。ホラー表現が苦手な方はお気をつけください。

「Momoチャレンジ」とは

都市伝説「Momoチャレンジ」の発端には諸説ある。スペイン語圏で広まったものとも、Facebookを発祥とするものともいわれているが、共通するのは「Momo」なる存在が見る者に自傷行為を薦めることだ。初期段階に知られたのは「Momoの電話番号にメッセージを送ると指令が届き、それらを順番にクリアしていかなくてはならない」というもの。指令はやがてエスカレートし、自分の身体を傷つけたり、あるいは自分の命を絶つよう要求してくるという。指令に背けば個人情報が暴露される、呪われるなどペナルティにも複数のパターンがある。アルゼンチンで12歳の少女が自殺し、これがMomoチャレンジに関係している可能性があるとして現地警察が捜査に踏み切ったとも報じられた

2018年、メッセージアプリ「WhatsApp」のユーザーの間で広がっていたMomoチャレンジは、2019年に入るとYouTubeに舞台を移す。小さい子どもたちが見るような映像の途中、いきなりMomoが登場して危険な指令を始め、命を絶ったり、家族に危害を加えたりすることを求めるというのだ。キム・カーダシアンがInstagramで注意を呼びかけたことは、この都市伝説が爆発的に拡散されるきっかけとなってしまった。

「なってしまった」と記したのは、子どもを自殺に追い込むMomoチャレンジなど実は存在しなかったからである。YouTubeが調査を実施した結果、問題の動画は存在しないことが判明したほか、“アルゼンチンで少女が自殺した”というニュースすら真実かどうかは分からなかったのだ。しかし米国や英国ではすでに噂が広がっており、北アイルランド警察までもがFacebookを通じて注意喚起するまでに至っている。

Momoチャレンジ騒動に巻き込まれたのが、「Momo」として紹介された、大きな目に裂けた口を持つ恐ろしいクリーチャーを生んだ日本人造形作家の相蘇敬介氏だ。この造形物は、もともと2016年の夏に発表された「姑獲鳥(うぶめ)」という作品だったが、海外で注目を集めたことから無断利用され、“子どもたちに自殺を迫るキャラクター”というとんでもない扱いを受けてしまったのである。BuzzFeedの取材によれば、騒動以前に「姑獲鳥」は廃棄されていたという。

 
 
 
 
 
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MOTHER-BIRD by #LinkFactory/#KeisukeAisawa (2016, #MixedMedia #SFX #Sculpture) #BetweenMirrors ƑØLLØᙛ ► @Between.Mirrors ► @Mirror.Haus

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『リング』『呪怨』プロデューサーが映画化へ

このたび映画化が伝えられているのは、この「Momoチャレンジ」なる都市伝説そのものだ。Deadlineは「現代のデジタル社会を超えたストーリーに発展する可能性もある」と報じており、相蘇氏による「姑獲鳥」のルーツにも言及している。日本には「姑獲鳥(産女)」という死んだ妊婦の執念が化けた妖怪がいるほか、中国にも同じく「姑獲鳥」という名前をもつ、子どもをさらう怪鳥の伝説が存在するのだ。ただし、都市伝説に巻き込まれてしまった形の相蘇氏が本作に関わるのか、また「姑獲鳥」や類似の造形物が本作に登場するのかは分からない

映画版のプロデューサーを務めるのは、日本ホラー映画の金字塔『リング』『呪怨』シリーズを生み出した一瀬隆重氏。ハリウッド版『呪怨』シリーズにも携わってきたホラー映画の名手だ。さらにハリウッド版『リング』『呪怨』シリーズで製作総指揮を務め、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)など多数の映画に関わっているプロデューサーのロイ・リーも参加。製作はリブート版『チャイルド・プレイ』(2019年7月19日公開)などの米Orion Picturesが務める。

▼ホラーにまつわる記事

    Sources: Deadline, Fox News, BuzzFeed

    Writer

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    稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

    「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。