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ゴジラ実写ドラマ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」時系列はいつ? ─ 過去作とコミックから解読する

モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ
画像提供 Apple TV+

ハリウッド版『ゴジラ』シリーズを含む「モンスター・ヴァース」初の実写ドラマ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」が、2023年11月17日(金)よりApple TV+にて配信開始となる。

映画『GODZILLA ゴジラ』(2014)から『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』(2019)、そして『ゴジラvsコング』(2021)と展開してきたモンスター・ヴァースだが、気になるのは本作の時系列。すでに判明している情報から、その狙いを探ってみたい。

プレスリリースによると、「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」の舞台は、「ゴジラとタイタン(編注:怪獣)の壮絶な戦いによってサンフランシスコが破壊され、モンスターが実在するという衝撃の事実が発覚した後の世界」。これは、すなわち『GODZILLA ゴジラ』でゴジラとムートーが激闘を繰り広げた2014年よりも後を指しているとみられる。

手がかりはもうひとつあった。ティザー映像では、アンナ・サワイ演じるケイト・ランダが、空港と思しき場所で「ゴジラ避難経路」の誘導標識を見つめている。この標識は、おそらくゴジラの出現が“災害”として世界で理解されていることを意味するものとみられ、したがって本作の時系列は『GODZILLA ゴジラ』よりもしばらく後と考えられる。同じくサンフランシスコの戦いを踏まえた作品に『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』があるが、同作よりも後、すなわち世界のありようが決定的に変化した時代と予想することもできるのだ。

一方で「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」は、1950年代の出来事が現代と並行して語られる構成でもあるようだ。キーパーソンは陸軍将校のリー・ショウと、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)に登場したウィリアム・“ビル”・ランダ。現在のショウをカート・ラッセル、若きショウを実際の息子ワイアット・ラッセルが演じ、『キングコング:髑髏島の巨神』で描かれた1970年代前後のビルをジョン・グッドマン、若きビルをアンダース・ホームが演じる。

モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ
画像提供 Apple TV+

気になるのは、1950年代と現代のみならず、その中間にあたる1970年代の存在だ。本作は“3世代にわたる物語”ともいわれるため、若きショウとビル・ランダがいた1950年代、年老いたランダが謎の島を訪れた1970年代前後、そしてサンフランシスコの戦い以降にあたる2010年代後半~2020年代が絡み合う可能性もある。とにかく明らかなのは、すべてが特務機関モナークとその秘密に収斂すること。黒塗りの書類の秘密とは、そしてランダの語る“過去の誤ち”とは……。

年老いたショウは、モナークの任務が「彼ら(タイタン)と我々、両方の世界を守ること」だったと語る。この台詞は『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』や『ゴジラvsコング』にも通じており、いわばモンスター・ヴァース全体を貫くものと言えそうだ。

すでに判明している事実としては、特務機関モナークの設立は第二次世界大戦後の1946年。モンスター・ヴァースの正史とされるコミック「ゴジラ:アウェイクニング<覚醒>」では、同じく1946年、芹沢猪四郎(映画で渡辺謙が演じた)の父・芹沢英二が、巨大生物の襲撃からアメリカ船を救出する際、モナークの一員であるショウという男に出会っている。ショウは物語の重要人物のひとりで、のちに猪四郎のモナーク参加にも関与するのだ。

もちろん、現時点で「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」に登場するリー・ショウと、「ゴジラ:アウェイクニング<覚醒>」のショウが同一人物だという根拠はない。ただし本作が、これまで描かれていなかったモンスター・ヴァースの“空白”を埋め、そのタイムラインをいくらか固める物語であることは間違いなさそうだ。『ゴジラvsコング』の続編『Godzilla x Kong: The New Empire(原題)』へと連なるであろう、巨大な物語の全貌に期待すべし。

「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」は、2023年11月17日(金)よりApple TV+にて全世界独占配信。全10話構成で、初回2エピソードののち、2024年1月12日まで毎週金曜日に新エピソードが配信される。

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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