【インタビュー】『マトリックス レザレクションズ』スミスはトーマスの「ビジネスパートナー」 ─ 「言えるのはこれだけ」とジョナサン・グロフ

レジェンド2人の生アクションに大興奮

── ラナ監督といえば、多様性や包括性を強く意識したキャスティングをしてきた方です。具体的にどのようなプロセスで出演が決まったのか教えて下さい。
これもラナの人柄が出ている話なんですけど、まずは彼女に会いに飛行機でサンフランシスコに向かいました。オーディションの部屋に入ったら、そこにはラナと奥さんのカリン、犬のイッジーがいたんですよ(笑)。あと彼女の仲良い友達1人とプロデューサーのエイミー(・アレグレッティ)もいて。だからラナの他にいたのはイッジーを含めたら全員で4人だったかな。そんな和やかなオーディションでは、本当の意味でお互いのことを知るようなプロセスだったんです。もちろん本読みもしたり、役を追求して違う角度から演じ直したりもしたんですけど、すごく真剣でやり過ぎ、みたいなことはなかったです。
時間をかけて人生についての話もしました。サンフランシスコに住むゲイの友情を描いた「ルッキング」っていうドラマの撮影でサンフランシスコにしばらく滞在していた時があるんですけど、その作品のおかげで、自分はゲイなんだということを受け入れることができて、人生が変わりました。オーディションで僕はそういったことを話して、逆にラナは、ご両親を亡くされたことが『マトリックス』の世界に戻ってくるきっかけになったと教えて下さいました。こういう個人的なこともひっくるめて、僕たちは本音で話し合うことができたんです。それが今の彼女が伝えたいことなんだと思います。本当の自分をさらけ出すことの大切さを。だから映画を作ること以上に、オーディションに始まった全ての経験に意味がありました。この映画をSFアクション大作以上のものに昇華させているんです。これも全て、彼女の心温まる取り組みのおかげで。だからこそ、訴えかけるような、愛すべき作品になっているんですよ。
── エージェント・スミスというと、ネオとの1対1の格闘を想像してしまいますが、アクションについてはトレーニングを行いましたか?
サンフランシスコにあるステージに毎日集まって、隔離しながら一つのグループでトレーニングしました。役者それぞれが役柄にあわせた特定のやり方でトレーニングを受けました。僕自身もトレーニングにはドハマリしましたね。『マトリックス』1作目の格闘シーンはものすごく有名ですし、そんな『マトリックス』のトレーニングを学べるなんて刺激的でした。
キアヌとキャリー=アンが2人でトレーニングしているところを目の前で見られたこともスゴいことですよね。20年が経ったなんて思えなかったな。当時30代だった2人が50代になってもバリバリの現役なんですから。毎日ずっと健康的な食事をして、身体を大切にされてきたんでしょうね。そんな2人が毎日現場に現れて、技を披露するなんて……もうヤバかったです!2人を見ていたら僕も感動してきちゃって。そういう意味でも、トレーニングは楽しかったです。
── そろそろお時間のようで。お話を聞いてものすごく楽しみになりました!ありがとうございます!
イェーイ!僕も楽しみです!
『マトリックス レザレクションズ』は2021年12月17日(金)より全国公開。