Netflixがワーナー買収へ ─ 「ハリウッド崩壊も起こりうる」業界から反発
Netflixが、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー社のスタジオ&ストリーミング部門の買収に向けて独占的な交渉に入ったことがわかった。米The Hollywood Reporterなどが報じている。
ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収をめぐる各社の入札合戦は過去数週間にわたって行われており、Netflixのほか、パラマウント・スカイダンスや、ユニバーサル・ピクチャーズを擁するコムキャストが参加していた。パラマウントはワーナー全社の買収を、Netflixとコムキャストはスタジオ&ストリーミング部門のみの買収を計画していたとされる。
報道によると、Netflixは1株あたり28ドルを提示してこの入札合戦に勝利したとのこと。これを受けて、ワーナーとNetflixは契約締結に向けての正式な協議に入る。もっとも、両社が最終的に合意に至るかどうかはまだわからず、仮に合意したとしても米国の規制当局との交渉を乗り越えなければならない。米Bloombergによれば、規制当局が買収を承認しなかった場合、Netflixは50億ドルの違約金を支払うという。
すでにNetflixのワーナー買収には複数の障壁があり、パラマウント側は「Netflixとコムキャストの提案には規制当局が無視できない深刻な問題がある」とワーナーに通知したほか、ワーナーがNetflixに有利になるよう、あらかじめ不公平な入札プロセスを用意していたと主張した。すでに司法省が異議申し立てを計画しているとも報じられており、ヨーロッパの規制当局もこの買収には慎重になるとみられる。
ハリウッドの映画人たちも黙ってはいない。米Varietyによると、著名なフィルムメイカーたちが多数名を連ねる匿名団体から、アメリカ議会に対し、「Netflixがワーナーを買収した場合、ハリウッドに経済的・制度的な崩壊が起こりうる」と警告する公開書簡が送られたという。この団体は、Netflixがワーナー作品の劇場公開に影響を与え、ストリーミング市場に優位な状況を作り上げた場合、映画館市場を破壊する可能性があるとして、買収に強く反対するとともに、独占禁止法に基づく精査を求めたようだ。
もっとも交渉が決裂しなければ、Netflixによるワーナー買収は数日中にも正式に発表される可能性がある。そして、もしも買収が成立すれば、Netflixはワーナーの長年にわたるライブラリ、すなわち『ハリー・ポッター』シリーズやDCコミックス作品などもまるごと手中に収めることになる。
▼Netflix の記事
Source: The Hollywood Reporter, Bloomberg, Variety(1, 2)




























