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『ニュー・ミュータンツ』は「まぎれもなくX-MEN映画」 ─ シリーズ初の青春ホラー、作風は独自路線に

メイジー・ウィリアムズ アニャ・テイラー=ジョイ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/19647942976/ https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/29787633788/ Remixed by THE RIVER

20世紀フォックスがウォルト・ディズニーとの事業統合前に手がけた、『X-MEN』シリーズのスピンオフ映画『ニュー・ミュータンツ(原題:The New Mutants)』は、脚本・監督のジョシュ・ブーンいわく「まぎれもなくX-MEN映画」だという。紆余曲折を経て完成した本作の撮影現場にて、2017年、ブーン監督が語ったコメントが英Digital Spyにて伝えられている。

『きっと、星のせいじゃない。』(2014)のジョシュ・ブーン監督が手がけた『ニュー・ミュータンツ』は、シリーズ初の青春ホラー。特別な力を持った少年少女たちが病院に拘束されるが、やがて医師たちの目的が治療ではないことが明らかになってゆく。過去にトラウマを抱えた彼女たちは、自身の恐怖と対峙しながら、病院からの脱出を試みるのだ。

ブーン監督は、『X-MEN』シリーズの新境地となる本作について「まぎれもなくX-MEN映画」と宣言。しかしその一方で、シリーズからは独立した作風にすることにも特別なこだわりを明かした。

(『X-MEN』シリーズの)引用はありますし、より大きな世界の中で起きることではありますが、作風や美的な面ではきちんと独立したものにしたいと思いました。非常に現実的でリアルなものにしたかったんです。実際のロケーションで撮影しましたから、グリーンスクリーン撮影の多い、いろんなものがCGで艶っぽく見える、いわゆるコミック映画らしいビジュアルにはなりません。インディーズ映画ではありませんが、そういう粗削りなところは残った作品になりますよ。」

監督は当時、『ニュー・ミュータンツ』が『X-MEN』と合流する可能性について「いつか、どこかですべてが繋がることでしょう」とも話していた。しかし本作の撮影終了直後、ディズニーの20世紀フォックス買収が報じられ、いまや『X-MEN』シリーズはマーベル・スタジオが手がける方針で企画が進行中。『ニュー・ミュータンツ』がマーベル・シネマティック・ユニバースとどのような関係を持つのかは明らかになっていない。

なおプロデューサーのカレン・ローゼンフェルト氏は、『ニュー・ミュータンツ』の時系列について「今であり、時間を超越する」ものだと説明。『X-MEN』シリーズにおける時系列の位置づけは「決めていない」としながらも、「今の話です。現代であって、未来でも過去でもありません」と述べていた。したがって確かなことは、本作が『X-MEN』映画であるということのみ。シリーズ作品とのリンクがあるらしいという意味では、まさしく最後の“20世紀フォックス版『X-MEN』”と言えるのかもしれない。

『ニュー・ミュータンツ』については、大規模な再撮影・再編集が行われるとも伝えられていたが、ウォルト・ディズニー/マーベル・スタジオでの作業を経て公開される“完成版”には、ブーン監督のビジョンがそのまま残っているという。「まぎれもなくX-MEN映画」という意志も、おそらくは色濃く残っていることだろう。

出演は『スプリット』(2016)『ミスター・ガラス』(2019)のアニャ・テイラー=ジョイ、「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)のメイジー・ウィリアムズ、「ストレンジャー・シングス」(2016-)のチャーリー・ヒートン、「13の理由」(2017)のヘンリー・ザーガ、本作が長編映画デビューとなったブルー・ハントら。

映画『ニュー・ミュータンツ(原題:The New Mutants)』は2020年4月3日に米国公開予定

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Source: Digital Spy(1, 2

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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