次期ジェームズ・ボンドは白人男性に限らない可能性 ─ 『007』プロデューサーが示唆

50年に渡り白人男性が演じあげてきた伝説的スパイ、ジェームズ・ボンドの姿と印象が、時代と共に変貌を遂げる可能性が示唆された。次期ボンドは、必ずしも白人男性とはならない考えだ。映画『007』シリーズのプロデューサー、バーバラ・ブロッコリ氏がDaily Mailの取材で展望を語った。

この情報を伝えるにあたっては、公平性を保つよう努めたい。一次情報となったDaily Mailの記事タイトルは「次期ジェームズ・ボンドは黒人か女性も有り得る」の見出しに続いて、バーバラ・ブロッコリ氏の「どんな事も起こりうる」との発言もきちんと併記している。バーバラ氏はこの度、Daily Mail記者に「女性版ボンドや黒人版007が実現する可能性はありますか」と尋ねられ、「(『007』は)時代を象徴するシリーズ。限界に少し挑むよう、いつも心がけています」、続けて「どんな事だって起こり得ます」と返したのだ。「女性版」「黒人版」といったキーワードは、あくまでもバーバラ氏が自ら持ち出したものではない事に、ひとまずはご留意いただきたい。

とはいえ、バーバラ氏がこのような含みを持たせた回答をした事は興味深いポイントだ。バーバラ・ブロッコリはシリーズ第一作『007 ドクター・ノオ』(1962)の製作を手がけた、まさに映画『007』シリーズ生みの親の1人とも言えるアルバート・R・ブロッコリ氏を父に持つ。自身は『007 わたしを愛したスパイ』(1977)で宣伝部アシスタントとして携わり、次第に同シリーズの仕事を深く手がけるようになる。ピアース・ブロスナンの『007 ゴールデン・アイ』(1995)以降は全てプロデューサーとして名を連ねており、ジェームズ・ボンドと共に人生を歩み進めている人物と言えよう。バーバラ氏は同質問に対して、「現在演じているダニエル・クレイグにはとても満足しておりますが、将来がどうなるかなんて、誰も分かりませんからね」と更なる回答を重ね、伝統革新の可能性を示唆した。

公平性とキャラクター性の狭間で

現在のシリーズではイギリス出身のダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンド役をめぐっては、継役問題がしばらく取り沙汰され、2017年8月にようやく落ち着いていた。2019年11月公開予定のシリーズ最新作にて新ボンドを演じる”予想ダービー”において、多数の実力派俳優が噂されていたのだ。この時点で黒人俳優のイドリス・エルバがその有力候補とされており、黒人ボンド誕生の可能性は(是非はさておき)既に人々の頭の中に浮かんでいた。結局、ダニエルがシリーズ続投を公に認めたことで目下のざわめきは止んだが、ダニエルの出演契約は次回作で終了となるため、次期ボンド役は依然として空席となっている。

 

この度のバーバラ・ブロッコリ氏の発言を伝えたDaily Mailの短い記事では、最後に3代目ボンドを演じたロジャー・ムーアが2015年に同誌に寄せた声も紹介している。

「女性ボンドやゲイのボンドがあったって構わない、との声も聞いています。ですが、それでは単純に(原作者の)イアン・フレミングが書いたボンドではなくなってしまうでしょう。同性愛やレイシストの問題ではなくて、単純にキャラクターの真の姿でなくては。」

そもそもイアン・フレミングの小説を下敷きとした『007』ジェームズ・ボンドは、「どんな人種・性別にも公平であるべき」という話題と本来無縁であるべきかもしれない。一方で、映画版ボンドの姿は時代と共に少しずつそのイメージを刷新しており、バーバラ氏の「時代を象徴する」という穏やかなモットーも無視できない。次の世代はどうあるべきか──ジェームズ・ボンドのワルサーPPKが定める標準の先は、まだ少し揺れ動いている。

Source:http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-5219587/Next-James-Bond-black-woman-says-producer.html

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