Menu
(0)

Search

僕が『ローグ・ワン』『ハン・ソロ』の次は『オビ=ワン』でなく『ボバ・フェット』だと確信する2つの理由

ボバ・フェット スピンオフ

これは不安の意味ではなく、純粋なる強い興味関心から来る疑問として発したい。「いったい、スター・ウォーズはどこに向かおうというのか?」

間もなく、スター・ウォーズ・シリーズ初の試みとなるアナザーストーリー作品、『ローグ・ワン:スター・ウォーズストーリー』が全世界公開となる。情報によると、シリーズで初めて”オープニングクロールの無い”始まりとなるという事だから、今作がいかに過去7作から独立した作品かが窺い知れる。

https://theriver.jp/rogue-one-no-opening-crawl/

『エピソード3 / シスの復讐』以降、ジェダイ滅亡後の時代を描くローグ・ワンは、「ジェダイやフォース、ライトセーバーが登場しない」という意味でも初の作品である。もちろん正確に言えば、フォースを信じるチアルート・イムウェやジェダイ信仰のメッカである惑星ジェダ、それに唯一ライトセーバーを起動させる可能性を持つダース・ベイダーなどは登場するものの、過去7作のようにフォースやジェダイが物語の中心にあるわけではないという点はご同意いただけるだろう。

しかし、この『ジェダイ不在』の物語は、ローグ・ワンが例外というわけでもない。その後に続く『ハン・ソロ』のスピンオフ作品も、やはりジェダイやフォースが登場する可能性は極めて低い。

スピンオフ映画『ハン・ソロ』については、「ハン・ソロがいかにしてならず者の宇宙海賊になったかを描く」程度の情報が明かされているだけで、詳しい時代設定などはわからないが、ローグ・ワン同様に『エピソード4 / 新たなる希望』以前の出来事を描くことは間違いないだろう。
ハン・ソロといえば、フォースを「カビの生えた宗教」と言い捨てた男。彼にとってフォースとは信じる・信じないの問題ではなく、「銀河の端から端まで飛んだが、すべてを結びつける”フォース”なんて存在を信じさせてくれるものにゃお目にかかったことはないね。」の発言からわかるように、見たことも体験したこともないものだ。当然、若き『ハン・ソロ』の物語にフォースやジェダイ登場の要素はあまり期待できないだろう。

次は『ボバ・フェット』か『オビ=ワン』か

ところで、『ローグ・ワン』『ハン・ソロ』に続く、『スター・ウォーズ・ストーリー・アンソロジー』を締めくくる3本目のスピンオフ映画の制作も決定している。その題材については未だ不明だが、ファンの間では『ボバ・フェット』と『オビ=ワン』の外伝が期待とともに有力視されている。
EW.comの伝えるところによると、ルーカスフィルムは『ボバ・フェット』の制作を公式アナウンスしかけていたものの、その監督として雇用されていたジョシュ・トランクが20世紀FOX制作のマーベル映画『ファンタスティック・フォー』(2015)でさんざんなトラブルを起こし、ルーカスフィルムからも見捨てられて以来、プロジェクトは宙吊り状態になっていた。

さて、冒頭の好奇心「いったい、スター・ウォーズはどこに向かおうというのか?」という疑問にインスピレーションを与えるようなコメントが、ルーカスフィルム代表のキャスリーン・ケネディから発せられている。

「私たちは、映画化するべきものについて、かなり話し合っています。でも、これは1月に落ち着いて話すつもり。今は『フォースの覚醒』がリリースされて、ローグ・ワンがあって、エピソード8の撮影も終えたところですからね。

(中略)これから何をするのだろう?エキサイティングだと思うものはなんだろう?そして、私たちが”拡張”したいものとは何だろう?」

注目すべきは最後の言葉、『拡張』ではないだろうか。ここで一度、現在までで確定している内容をまとめてみたい。

timeline

スター・ウォーズ・サーガはエピソード1から9にかけて、フォースやジェダイを主軸とした物語を描く。それに対して、確定している2作の『スター・ウォーズ・ストーリー』は、非ジェダイの物語だ。『ローグ・ワン』では、持たざる者たちが団結し、巨大な敵に立ち向かう物語。そして『ハン・ソロ』は、銀河の裏社会をずる賢く世渡りするアウトローの冒険となるだろう。

こうして整理すると、ルーカスフィルムが拡張したいのは『オビ=ワン物語』ではなく『ボバ・フェット物語』なのではないかと感じられる。理由は以下の2つだ。

『スター・ウォーズ・ストーリー』は非ジェダイたちの物語だから

『スター・ウォーズ・ストーリー』三作は『オビ=ワン』ではなく『ボバ・フェット』で締めくくった方が美しい。なぜなら、ボバ・フェットを持ってくることによって、フォースやジェダイについて『エピソード1〜9』にはない三種三様の解釈を描く事ができるからだ。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly