クリストファー・ノーラン、次回作は伝説的カルトドラマのリメイクか ─ まもなく脚本執筆開始と米報道
『オッペンハイマー』で第96回アカデミー賞の作品賞・監督賞に輝いたクリストファー・ノーランの次回作が、1960年代にカルト的人気を誇ったイギリスのSFドラマ「プリズナーNo.6」のリメイクになる可能性が浮上してきた。
現代のハリウッドを代表する重要監督のひとりで、約3年に1本というペースで新作を手がけているノーランは、『オッペンハイマー』の次にどんな新作を撮るのか……。現時点で公式発表はなされていないが、米Varietyの情報によると、ノーランは「プリズナーNo.6」のリメイク版を準備しており、まもなく脚本の執筆を開始するという。
「プリズナーNo.6」は1967年~1968年にイギリスで放送されたSFスパイドラマ。元イギリス諜報部の主人公(パトリック・マクグーハン)は、旅支度をしていたところ何者かに拉致され、「村」と呼ばれる場所で目を覚ます。周囲から孤立したその土地では、誰もが番号で呼ばれており、そして誰ひとり脱出することができなかった。“No.6”という名前で呼ばれるようになった男は、「村」からの脱出を目指すが……。
謎めいたストーリーと斬新な演出で注目された本作は、日本でもNHKなどで放送され、いまだ熱狂的なファンをもつ人気シリーズ。2009年には、アメリカでリメイク版ドラマ(ジェームズ・カヴィーゼル&イアン・マッケラン出演)が製作されている。
実はノーランは、このリメイク版ドラマ以前に「プリズナーNo.6」の映画化を一時進めていた。当初は『ダークナイト』(2008)の次回作となる計画で、『12モンキーズ』(1995)を執筆したデヴィッド&ジャネット・ピープルズが脚本を執筆していたが、残念ながら2009年8月の時点でノーランは企画を離脱していたのだ。それから15年、いよいよ念願叶っての実現となるか。正式な情報解禁が待たれる。
なお、配給の有力候補とみられているのは『オッペンハイマー』のユニバーサル・ピクチャーズか、古巣であるワーナー・ブラザース。『オッペンハイマー』を大ヒットさせ、ノーランを自身初のオスカー像に導いたユニバーサルとのタッグが最有力と見る向きもある。
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Source: Variety, Digital Spy