「ザック・スナイダーの影響を感じないスーパーヒーロー映画はない」とクリストファー・ノーラン、ふたりは「映画監督同士で唯一の親友」

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)などを手がけ、かつてDC映画ユニバースを統括していた映画監督ザック・スナイダーは、現在ほどスーパーヒーロー映画が市民権を得る以前から、いち早く自らのスタイルでコミックの映画化に取り組んできたフィルムメイカーのひとりだ。
同時期に『ダークナイト』3部作を発表し、いまや巨匠と呼ぶべき風格をたたえるクリストファー・ノーランは、その功績をきわめて高く評価しているようだ。米The Atlanticでは、スナイダーがその後のスーパーヒーロー映画に与えた影響をこのように語っているのである。
「近年のスーパーヒーロー・SF映画で、私がザックの影響を感じないものはありません。ザック・スナイダーの映画を観ると、映画の可能性に対する彼の愛情を見て、そして感じることになります。空想的であり、現実を拡張しながら、人々を感動させ、興奮させるという映画の可能性を。」
ノーランは先日、スナイダーの初期作品のひとつ『ウォッチメン』(2009)について「時代を先取りした作品だと、ずっと信じていました」と称賛したばかり。「スーパーヒーロー・チームという概念を見事に覆した映画は、未だかつて存在しませんでした。もし『アベンジャーズ』後に公開されていたら、とても魅力的だったと思います」と語ったのである。
もともと、ノーランは『バットマン vs スーパーマン』のほか、スナイダーの監督作品『マン・オブ・スティール』(2013)『ジャスティス・リーグ』(2017)『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)に製作総指揮として参加。『バットマンvsスーパーマン』では、私物のIMAX撮影用レンズをスナイダーに貸し出したというエピソードもある。
ふたりはプライベートでも仲が良く、ノーランは『オッペンハイマー』(2023)の、スナイダーは『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』の試写にお互いを招いた。もっとも意見交換をすることはないそうで、スナイダーによると「自分の映画を観せるときは、“映画は完成した、とにかく楽しんでくれ”と言います。彼は僕にもそう言ってくれる」という。
ちなみに米The Hollywood Reporterにて、スナイダーはノーランを「映画監督同士で唯一の親友」と呼んでいる。月に一度は電話で話し合う間柄だそうだ。
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Source: The Atlantic, The Hollywood Reporter